第27回 豆君が、今の発言を忘れるまで絞め続けるからね。

理 環と卑弥呼様が高校の同級生という驚愕の事実を知った。


 


「なるほどですね。高校の時から、独創的なことをやっていたのですか?」


 


「やっていたね。我も、なぜそんな事しているのか聞いたけど。


ことちゃんの見えている世界が違いすぎてついていけないんだよね。


ことちゃんは、頭が良すぎて、狂っているんだよね」


 


「たしかに、アインシュタインとかそういった人も狂っていますもんね。」


 


 


「ことちゃんの場合は、違うかな。


自分が狂っていることは自覚しているよ。


Vの仮面をかぶっている時はおそらく言わないと思うけどね。」


 


「へぇ~。そうなんですね。卑弥呼様はなんで、そんな人を気に入っているのですか?」


 


「そうね。君になら、話していいかな。


我さ、高校の時、かなり荒んで、周りに誰もいなかったんだよ。


そのせいか、常に死にたいと考えていたわけ。」


 


卑弥呼にもつらい過去があったことにびっくりした。


俺は、そのことを顔に出さないように黙々と聞いていた。


 


「そこで、ことちゃんが来てさ、何度も笑わせようとするの。


最初はうっとうしくて、しょうがなかったわ。


ある時、全力で怒ったの。


私が怒ったら、基本みんな恐怖のあまり逃げるんだけどさ。


でも、あの子は引き下がらずに笑わせにきたの。


引き下がらなかったことが嬉しかったのかな。


つまらないギャグだったのに、笑えたの。」


 


「なるほど。


素の自分を認めてくれた理さんのことが気に入ったんですね。」


 


「まぁ~ね。


我も、ことちゃんに依存していることは否定できないかな。


ことちゃんを追いかけるために、こういう活動始めたわけだしね。」


 


「だから、私の特別なことちゃんを、コラボ中ぞんざいに扱うと許さないからね。」


卑弥呼はにこっと笑った。


 


許さないという言葉が胸にささり、おびえ始めた。


どうやら、コラボ中に頭のおかしい理に忖度をしないと命がないと分かった。


 


「分かりました。理さんと一緒に放送を楽しみますからね。」


声を震わせながら答えた。


 


「我にとって、特別な2人がコラボしてくれるから、楽しみにしているね」


卑弥呼はニコッと笑いながら言った。


 


「って、豆君は特別でもなんでもないからね。」


顔が赤くなって、卑弥呼は、俺の首を絞めてきた。


 


「豆君が、今の発言を忘れるまで絞め続けるからね。


そんな意味で特別だなんて言っていないからね。」


 


俺は、理不尽にも首を絞め続けられていた。


 


そして、理・エドワードによる雑談配信の日程が決まり、卑弥呼の監視付きという地獄配信である。


理の暴走がどう転ぶかが分からず、不安でしかない。


 

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