悪意の山を転がり落ちてゆく

そこにあったのは、ほんの少しの事実。

『いじめ』と、ただの『維持すべき日常』

雪山のように積み上がって、身を守るために見てみぬふりをして、

どうしようも無い程積み上がった頂上から、ひっそりと誰かが雪玉を投げ落とす。

転がって、転がって。

どんどん、どんどんと膨れ上がって、

そこにあったものは踏み潰されて、あとには剥き出しの本性だけが残される。

誰かが誰かを誑かし、

誰かが誰かを陥れる。


そして、最後には砕けて全て消えるのです。


 連鎖する悪意の中に読者を転がり落とし、そして最後に全てを引っ繰り返してしまう。
 そんな作品でした。

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