妻にリードは要らない(140字小説)

塩塩塩

妻にリードは要らない

会社員風の男が散歩させている犬は、首輪こそしていたがリードはなかった。

「妻は逃げませんよ」

男が犬の首輪を外すと、犬の胴が脱げて女の体が現れた。

「ベルトのないズボンがズレるのと同じです」

男がネクタイを緩めて首を外すと、犬の頭が現れた。

二人は何の変哲もない頭が犬、体が人の夫婦だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

妻にリードは要らない(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ