ただの食事

 ある日、男は友人に誘われて居酒屋で食事をしていた。

 会わせたいというやつらがいる、と友人が言っていたので男は来てみたのだが、その者たちがあまりにも特殊なのである。


「あのー、この方たちって……」

「右から野菜人のベジ・タリオ、牛人のモウモウちゃん、鳥人のコケ・コッコ、豚人のビッグ・ピッグ。俺の友人たちな」

「え……えっ?」


 男は困惑するが、誰もこの状況を突っ込まない。

 まず、ここは宇宙人があたりまえのようにいる世界ではないんだぞ、と彼は心のなかで呟くが、まあそれはそれとして、宇宙人(?)たちが食べているものも妙なのだ。


 野菜人は野菜

 牛人は牛肉

 鳥人は鶏肉

 豚人は豚肉

 

 を食べるのだ。

 

「あんたら、食って大丈夫なんか!?それってあんたらの同族なんじゃ?」


「「「「だってうまいもん」」」」


「あー、そうですか」

 

 男は考えるのをやめた。

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