【5分で読書賞】✨✨クズで自堕落 ✨俺様✨元ゲス アイドルが 限界過疎地の市長に ✨😆🎶✨💕 俺様が故郷再建に😆🎶✨

オズ研究所 《《#横須賀ストーリー紅白

第1話 ヤりチン✨💕✨ゲスアイドル😆🎶✨

 俺の名前は、武塔ムトウ 十夢トムだ。

 


 上から読んでも下から読んでも『ムトウ トム』。




 十の夢と書いて、『トム』ッて読む。




 親は夢を叶えて欲しいと願いを込めて、命名したのだそうだが俺の夢は他人ひとには聞かせられない。




 何しろ俺の夢は、『楽をして女にモテて、一生、愉快たのしく過ごすこと』……。




 クズで自堕落な元アイドルといて悠々自適に生きていこうとした。




 元々、ルックスに恵まれ運動神経も抜群、家も資産家だったため何不自由なく育った。




 中学生の夏休み、たまたま友人と買い物に出掛けた渋谷で、大手芸能事務所にスカウトされ、アッと言う間にアイドルになっていた。




 十代の頃は飛ぶ鳥を落とす勢いのスーパーアイドルだった。

 



『キャー~ーー トムゥ~ーー……😆🎶✨』

 ライブをやれば、女性ファンの歓声が鳴り響いた。




 俺は、いつでもファンの彼女らのセンターでチヤホヤされていた。




 そんなアイドルとして頂点を極めた俺は、調子に乗って足元をすくわれた。



 定番のスキャンダルだ。



 未成年者の女子と酒を飲み節だらな関係を持ったとして、一気に奈落の底へ落とされた。




 もちろん、こちらにも言い分があった。




 相手の女の子が二十歳の成人と申告したのを真に受けたのだ。



 免許もマイナンバーもないと言うので、彼女の言葉を信じるしかなかった。



 それが間違いの元だった。 



 もちろん相手の女の子が未成年者かどうか確認をおこたった俺の不注意なのだが……。





 しかし芸能界を追われ、アイドルをやめた後も、なにもしないワケにもいかない。


 部屋に閉じ籠りゲームをするのも、毎晩、ナンパし美女を抱くのにも飽きた。




 取り敢えず、暇つぶしをしなくては……。


 友人のすすめもあり、俺はルックスを生かしホスト界へ殴り込んだ。




 当然、昔のファンが大挙押し寄せ、毎晩大盛況だ。



 ひと晩で数千万円の金が飛びった。だが、俺にとってそんな金などなんの意味もない。



 常にトップにいる事が快感だった。

 それも圧倒的な差でだ。



 何人も俺様の影は踏ませない。


 もちろん俺は、すぐに天下を取った。


 もはや誰ひとり俺を追いかけるモノはいない。




 元アイドルが【ホストの帝王】として名声を得た。




 制約の多いアイドルよりも羽根をのばせるホストの方が、よっぽどしょうに合っているのかもしれない。




 なにしろ毎日、美女を抱いてエロくて、自堕落な性生活……。




 それが、俺の夢だ。




 しかも俺には親ののこしてくれた莫大な遺産があり、大きな屋敷で気ままに暮らしていた。



 その頃の俺は、世界が俺中心に回っていると勘違いしていた。





 しかし……。

 つまらない。

 


 どんなに金を得ても、何人もの美女を抱いても面白くない。



 上手く行き過ぎるのも考えものだ。



 俺は、次の暇つぶしを探していた。

 





 ※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆








 今夜も美女とベッドインだ。



 相手の名前は、美浦愛里。



 今まで抱いてきた誰よりも美人で相性もバッチリだ。



 最初、俺に近づいてきたときは、どこかの美人女優かと思ったほどだ。

 圧倒的な美貌の持ち主だ。



 一瞬で、俺は彼女の夢中になった。

 


 すぐに俺の屋敷へ誘った。 

 俺の屋敷を見れば、たいていの彼女は落ちる。


「スゴいお屋敷ねぇ……」

 思わず彼女も感嘆した。


「別に…… 親の遺してくれた遺産だからねぇ✨✨ 俺の稼いだ屋敷モノじゃない」

 さりげなくセレブアピールだ。



「資産、数十億ッて、本当なの」

「さァ~…、本当か、どうか確かめてみなよ」

 俺の預金残高を見れば、たいていの彼女は言いなりだ。



「フフ……、そう言えば十夢トムッて、変わった名前ねぇ」



「ああ……、昔ッから良くからかわれたよ。

 あまり良い記憶はないな」

 覚えやすいが、アダ名のような感じだ。



「ううン…… 素敵よ。だって十の夢ですもの」



「フフゥン……、俺の夢を聞いたらあきれるぜ」

「何よ……」


「いや、聞かない方が良いよ……」

 クズで自堕落な俺の夢なんて……。



 楽をして美女に囲まれた一生を暮らしたいなんて聞いたら、どんな美女だって幻滅だろう。

 聴かせられるはずもない。




「どうだ。愛里…… 暇つぶしに今度二人でクルーズ船にでも乗って世界一周しないか」

 俺は柔らかな彼女の身体を抱きしめ微笑んだ。



「そうね。考えておくわ」

 オッケーと言う事だろう。



 ところが、いざ合体ジョイントライブという所で、彼女は駄々をこね始めた。



「やッ、止めてェ……。そういうつもりじゃないの」



「おいおい、なんだよ。

 ここまできて、それはないだろう」



十夢トム……。もし私を抱きたいなら、やって欲しい事があるの」



「え、なんだ……❓❓

 やって欲しい事ッてェ……」

 どうせ金だろう……。

 いくら欲しいんだ。




「あなたには市長選に立候補して欲しいの」



「え、市長選……😲💦💦💦 なんだ。

 それェ…… いったい何処どこのだよ」

 想定外の応えに驚いた。



「あなたの生まれ故郷よ」



「え、生まれ故郷ッて、美浦市……😓💦💦」


「そうよ。今、美浦市は少子高齢化が進み、財政悪化で破綻寸前なの」



「え、まさか……」

 美浦市も過疎化が進んでいるとは聞いたが、それほど悪化しているとは……。




「もし、十夢トムが美浦市の市長に立候補してくれたら私設秘書として応援バックアップするわ。もちろんプライベートも」



「ン…、マジか……」

 ううゥ~ン……。


 市長選か……。


 ホストの暮らしにも飽きていた俺に取って、市長選それだった。







 ※。.:*:・'°☆※。.:*:・'°☆※。.:*:・'°☆





 俺の生まれ育った美浦市は急速な少子高齢化のため過疎化が進み、財政悪化が進んでいた。


 破綻寸前、『第○の夕○市』と呼ばれていた。



 風光明媚な観光地。それが俺の中での故郷のイメージだった。



 海岸線を愛里と二人でゆっくりと歩いた。

 穏やかな波が迫ってきた。



「どう、懐かしい❓」愛里が微笑んだ。


「フフ……、そうだな」美浦海岸のすぐそばには緑の山々があった。


 俺は当たり前だと思っていた景色だ。


 都会では決して味わえない潮の香りが漂っていた。


 郷愁をさそう懐かしい匂いだ。

 



「この美浦市を再建出来るのは、十夢トムだけよ」



「え…… そうかな」

 初めは半信半疑だったが。


 すぐさま俺は美浦市に住民登録し、市長に立候補した。




 政策や事務経費などは、すべて美人秘書の美浦愛里に任せっきりだ。



 元人気アイドルが市長選に立候補と言うことでマスコミも賑やかだ。



 アイドル当時と変わらない秒刻みのスケジュールだ。

 


 だが、良いことばかり書かれるワケではない。


 かつてスキャンダルも多くバッシングも激しい。



 『偽善者』、『生意気』、『テング』、『女ッたらし』、『プレイボーイ』などなど有らん限りの悪口のオンパレードだ。




 俺は私設秘書の愛里に勧められるままに、親の遺してくれた遺産を恵まれない子供たちの施設へ寄付した。



 もちろん『偽善』だと揶揄やゆする者もいる。過去のスキャンダルも暴かれ、ネットはさらに大炎上だ。




 それでも俺は愛里に勧められるままに、親の遺産を寄付し高齢者施設や市のバリアフリーを充実させていった。




 当初は、バッシングが多かったが徐々に応援に変わっていった。




 さらに人気に拍車をかけたのが選挙演説集会での俺のパフォーマンスだ。



 その模様がネットや地上波で流れた。



 俺は、集会のステージで天高く指を突き上げた。



「俺の名前を知ってるかァ~…❗❗❗」


「トムゥ~~……」

 かつて俺のファンだった女性たちが急遽、駆けつけ応援に回った。

 俺には、まだ根強いファンが残っていた。



 ものスゴい熱気だ。

 最高のライブと言って過言ではない。



「そうだ❗❗❗ 俺の名前は、十の夢と書いてトムだ❗❗❗」



「キャートムゥ~ー……😆🎶✨」まさに選挙演説と言うよりも、ライブパフォーマンスと言った方が適していた。



「俺の夢は、この生まれ育った美浦市を再建し、子供たちが笑って暮らせる街にする事だ❗❗」


「キャートムゥ……😆🎶✨」

 俺の演説に割れんばかりの歓声が上がった。


「俺は夢を叶えるために美浦市の市長になる❗❗」



 どこからともなく、

「トムゥ……トムゥ……😆🎶✨」とコールが響いた。


 元々、俺は人気アイドルとして認知されていた。



 やがて支援者も増え、絶大な人気を得ることになった。



 だが、その時には親の遺産をほとんど使い果たしていた。

 



 住んでいた大きな屋敷も売り払い、小さなふるい借家に住まう事となった。




 しかしその甲斐あって、市長選に当選した。




「愛里❗❗❗ 君の希望通り、市長になったよ。さ、結婚しよう」

 俺は勇んで彼女に告白した。



「いいえ、まだよ」


「え……❓❓」

 いったいこれ以上、俺に何をしろと言うんだ。



「美浦市をちゃんと再建してェ…… その目処めどが立ったら結婚しましょう」



「うう……、美浦市の再建……」

 躊躇ためらったモノの俺は美浦市の市長として働く決意をした。



「うん、わかったよ❗❗」

 俺は、その日から生まれて初めて他人のためにバリバリと仕事をした。



 次第に市は活気づいてきた。



 ふるさと納税は過去最高だ。




 もちろん元アイドルの最年少市長として、連日、マスコミからも引っ張りダコだ。



 向かうところ敵なし。




「僕の夢は…… 美浦市を再建すること❗❗

 そして、日本じゅうの子供を笑顔にすることだ❗❗❗」

 連日、俺のコメントがワイドショーを飾った。



「トムゥ~ー……トムゥ~ーー……😆🎶✨」

 美浦市を起点に、全国へムーブメントを起こした。




 ところが、ライバル議員たちはそれをこころよく思わず、寄付行為は『公職選挙法』に違反すると騒ぎたて、ネットで悪口を煽りたてた。




 過去に、未成年者と飲酒や淫らな関係を持ったなど、有ること無いこと書き立てられ、ついには市長の座を追われてしまった。








∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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