死を題材にした小説のための構想

あきかん

中絶

プロチョイスって知ってる?


いや、知らない。


中絶の容認派、若しくは中絶を積極的に容認する人または思想の事だよ。


だから、何?


『死』をテーマにした話を聞きたい、と言うことだったけど、それならパーソン論の話をしたいなと思ったわけ。


それで何で中絶の話なの?


具体的な話はこれからするとして、死の認知について話したいので、どうしても中絶の話は避けられないから。


とりあえず、要点はわかったから話を進めて。


よし。まずはパーソンの定義について話そう。パーソンって何だと思う?


人間の事ではないの?Personでしょ、英語だと。


まあ、そうだね。ただ、これから話す意味は少し違う。パーソンとは一言でいうと、未来思考を持っているかいなかで区別される。つまるところ、概念としての死を理解しているかどうかと言える。


どう言うこと?


例えば、生き続けたいとか、逆に将来に悲観して死にたいとか。そう言った事を考えられるのがパーソンと定義される。


まだわからない。もう少し詳しく。


要するに、ある程度の知性と生きてきた経験があって初めてパーソンと言えるわけ。本能的に、あるいは反射的に活動する生命体をパーソンとは言えないとも言えるけど。


はぁ、それと中絶と何が関係あるわけ?


とっても関係がある。人生経験のない胎児は殺して良い、とパーソン論は唱えている。死を知らないからね。


でも、胎児だって死ぬことを怖がるでしょ。なんかそんな話を聞いたことがあるよ。


それは本能的に怖がっているに過ぎない。だから、パーソンではないと判断される。


ちょっと待って。それなら新生児だってパーソンではないってこと?


そうだよ。


なら、新生児だって殺して良いって事にならない?


まさにその解釈であっているよ。


それって酷くない?なんとなくだけど。


まあ、君と同じように考えた人も多いよ。シンガー事件が有名だね。


なにそれ?


話がそれるから要約するけど、パーソン論を主張したシンガーの講演会に対して妨害活動とかが起きた事件。


気持ちはわかるよ。だって酷いもん。


まあ、でも今はこちらの方が主流の考え方だよ。


嘘!?


仮に胎児をパーソンと認めても中絶を容認する倫理もあるけどね。そっちは人気はないかな。


はぁ、なんか嫌な世の中になったもんだね。


パーソン論の悪い面を見すぎかな。例えば、動物の権利とかはこの系譜の話になるしね。命を軽んじている訳でもないよ。


他に良い面はないの?


たとえば、安楽死を認めるとかかな。


それって良いことなの?


パーソン論的には良いことだよ。安楽死と言ってもかなり厳格な条件があるけどね。


なんか他にないの?


例えば、植物状態の人からの臓器移植とか。


うーん。それはちょっと考えるかも。


まあ、 良い悪いではなくて倫理として一貫性があるかどうかが問題なんだ。それを語れるほど詳しくはないけど。


詳しくないのかい!


まあ、でも死について考えるならパーソン論は外せないよ。生きたい 死にたい以前の死についての認識の話なんだから。


でも、話を聞いてもよくわからなかったかな。


それは自分の実力不足。申し訳ない。


まあ、でも面白かったよ。ありがとう。

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