第3話 神との同棲

次の日。私はお金を拾ったことを途轍とてつもなく後悔していた。昨日は神のおかげで久々に面白かったし、正直、拾ってよかったと思った。しかし、基本情緒不安定な私の脳内は、不安で埋め尽くされていた。あぁ、何で拾っちゃったんだろ、私。


 ただでさえいじめられているのに、昨日会社で思いきり「は!!??」とか急に言っちゃって、絶対いじめられて精神を病んだやばい奴だと思われたし、両親が遊びに来た時、もし、もしもまだコイツがいたらなんて説明すればいいかわからないし。大体、同じ家におじいさんが一時でもいるとか無理!!気持ち悪い!!(実はきのう、神に、「一時でいいから家にいさせてくれ」って言われた。大体、神なのにどうして家くらい作れないの?)

ん?いや待てよ、そうだよ神だよ。そう、神。おじいさんじゃない。大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫、、、

するとおじいさんが階段を降りてきた。前言撤回。やっぱりおじいさん。おじいさんっぽい神っていうよりかは神っぽいおじいさん。どう考えても。


2・3日一緒に住んでみたけど、どうしてもダメだった。お風呂にもゆっくり入れないし、前みたいに下着でうろつくこともできない。元々男性経験が少ない私にとって、これは拷問だ。メンタルにもかなり来る。私は、意を決して言った。

「ごめん、やっぱ無理だ。出てってもらえる?アンタといると疲れちゃっ

て。」

自分で考えて言ったことなのに、言ってから、しまった。と思った。もうダメだ、怒られる。祟られるかな。

でも、神が放ったのは意外な言葉だった。

「分かった、出ていく。すまなかったのう。頑張るんじゃぞ。」

・・・・・・え?


私はもう、合わせる顔もなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る