第8話:幸せになりました

私はアーノルド・クラーク。かつてはクラーク王国の第一王子で、今はサカイでカレーライス専門店を経営しており、従業員を雇えるほど繁盛をしています。妻のマヤ・クラークとお腹の中にいる我が子とともに平穏に暮らしています。サカイにある知らせがもたらされた。クラーク王国は反王政派の貴族たちと国民たちの手によって滅ぼされ、国王のリオン・クラークが絞首刑に処されたのである


【アーノルド・クラーク】

「あぁ、やっぱり滅んだか。」


リオンがサカイに兵を差し向け、私たちを拉致しようとしたことで、諸国から非難を浴び、全ての国がクラーク王国との国交を断絶、クラーク王国は孤立無援となった


父のジェイド・クラークは公式には病死したと伝えられたがあまりの急死のため、一部では自殺したのではないかと言われている。葬儀は挙げられず、遺体は埋葬されず反乱軍たちによってその筋の商売に売られたという。まぁ、父は母の死後、私のことを大変気にかけてくれたから、私は神殿で供養塔をたてることしかできませんでした。母のアマリアの墓は元クラーク王国にあったので、父の供養塔の隣に母の供養塔も一緒にたてました


王妃は公式では病死したというが、やはり自殺したのではないかと言われており、遺体は国王同様、その筋の商売に売られました。我が子の所業によって、全ての苦労が水の泡になったわね。嫌な奴だったけど、死んだからいいか


異母弟のリオン・クラークは国王に就任したが反乱軍に捕らえられ、絞首刑に処せられた。死刑直前にリオンは泣きわめいて助けを求めていたそうです。あまりの醜態に死んでもなお、国民たちの怒りは収まらず、埋葬されず野犬の餌になったそうです。正直言っていけ好かない奴だったので、スカッとしました


最後にヒロインのアリス・ローリーですが王妃にはなりましたが、最後は処刑されず最下級の娼館に売られたと言います。まぁ、ヒロインだから上手くやれるんじゃないかな


他の王族と父の側妃と異母弟と妹たちは自分の領地や実家に避難し、そのままで領地を経営したり、世間に隠れ、ひっそりと実家で暮らしています。


【マヤ・クラーク】

「貴方、そろそろ開店する時間よ!」


【アーノルド・クラーク】

「あぁ、お前もあまり無理するなよ!」


【マヤ・クラーク】

「分かってますよ!」


マヤは妊娠中のため、接客は従業員に任せ、事務経理の仕事を続けている。本当は大人しくしてほしいけど、本人に任せるとしよう


【アーノルド&マヤ・クラーク】

「いらっしゃいませ!クラークカレーへようこそ!」


私たちは乙女ゲームの運命に抗い、ついに幸せを勝ち取りました!

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悪役たちに幸せを マキシム @maxim2020

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