第3話女たちの戦場

 「ちょっと待ってよ!」



 ここで幼馴染の鈴木麗菜ヒロインが声をあげようとしたのに別の声に先を越される。


 「ちょっと待ってよ、菊池くぅん、僕は!? 僕は君の事すっごく気になっているんだよぉ~」


 『いや、お前はいいから黙っていろ』とでも言わんばかりの殺意のこもった視線を向ける菊池健一。



 「ああぁぁん、その熱い視線でイっちゃいそうぅ♡」



 行くなら一人で何処へでも行けと言わんばかりの嫌そうな顔をする菊池健一。

 しかし彼は真っ先に腰をくねくねさせながら菊池健一に近づいて来た!!



 「うふっ、マイ・ダ~リン♡」



 「あっ! ちょっと待ちなさいよ!!」


 「菊池君!」


 「え、ええぇっ!?」



 迫る変態。

 それをやめさせようと追う豊田涼子。

 同じく本田明美も追う。

 しかしあまりの事に幼馴染の鈴木麗菜は驚きで固まったままだ。


 だがとっさの事に菊池健一は思わず最終奥義「天翔ける天馬百裂掌」を繰り出しこの変態を撃退する。



 「寄るなぁ変態バケモノがぁっ!」



 カッ!

 どががががががががっ、ばきっ!


 

 「ああぁぁん、愛が痛いぃぃぃっ!」



 きらーん!



 教室なのに天に輝く一番星にその変態を葬ると後を追って来た豊田涼子と本田明美がそのまま勢いを止められず菊池健一に抱き着く格好となる。


 ぼよん!

 ふにょん!


 とてもやわらかいものが先にぶつかる。

 もうそれだけで菊池健一の鼻の下は伸びまくりだ。



 「菊池健一!」


 「菊池君!!」


 「なっ! ちょ、ちょっとぉっ!!」



 焦る鈴木麗菜。

 思わず彼女も駆け寄り菊池健一の腕を取る。


 しかし残念ながら豊田涼子や本田明美のように「ぼよん!」も「ふにょん!」も無い。

 彼女は平原だったのだ。

 ついでに言うと美人には入る程度だが二人には到底及ばない。



 「あら、あなた誰?」


 「どなたですか?」


 「うっ」



 こうして第二幕の修羅場が始まるのであった。

   

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