雪舞う帰路

如月しのぶ

足音

 それは、中学校からの帰り道だった。

 ここは、スクールバスを降りたらそれぞれが、別々の道を帰るそんな田舎だ。

 友達と別れて歩いていると、後ろから足音が着いて来ているのに気がついた。

 そうなるともう、確かめずにはいられない。

 怪異と決まったわけではない。

 振り返る。

 そこには、顔の半分がつぶれた少女が、悲しそうに立っていた。

 雪道でスリップ事故に巻き込まれて死んだクラスメイトが居る。

 彼女だった。

 私は気絶した。

 あいにく誰も通りかからなかったので、そのまま凍死した。

「あのね、違うの。そう言うつもりじゃなかったの」

 幽霊は私の霊に弁解する。


 あぁ、そう言えば、マヌケな奴だったよなー、こいつ。


 おわり。

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雪舞う帰路 如月しのぶ @shinobukisaragi

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