第4話  翌日

 翌日、俺は毎日かけている携帯のアラームで目が覚める。時間は7時きっかりだ。

 布団から出て押し入れに目をやると、彼女が爆睡している。

「おい、起きろ」

 強く体を揺さぶっているが全く起きる気配がない。

「おい、起きないと朝ごはんないぞ」

 脅しに反応したのか、目をパッチリ開けこちらを向く。

「それはダメ」

「お前寝たふりしてただろ」

「あ、ばれた」

 彼女は見た目とは裏腹で以外にも早起きだった。

「ご飯にするよ」

 婆ちゃんの呼びかけと共に食卓へと足を運ぶ。

「今日はわかめの味噌汁とご飯だけだよ」

「えー、婆ちゃんこれだけかよ」

「文句言うなら食べるんじゃないよ」

「食べます、ごめんなさい」

 婆ちゃんといつもの茶番を繰り広げていたが、詩織は意外なセリフを吐く。

「和食か久しぶりだな」

「10年後だと和食が普通じゃないのか?」

「んー、私が洋食ばかりだっただけかな」

「なんだよ」

「博士はいっつも和食だった気がするけど」

「いただきます」

 婆ちゃんのいただきますが俺らの会話を無理やり終わらせる。

「いただきます」

 彼女とシンクロしたことは一切触れずに、ご飯を食べ始める。

「はー、おなかいっぱい、ごちそうさまでした」

「お粗末様でした」

 一番早く食べた彼女は猫のようにごろんと畳に寝転がる。こいつはしかるべき常識を持っていないのだろうか、何かと行儀が悪いとが目立つ。

「ごちそうさま」

 俺も後に続き食べ終わり、洗面台に向かう。

 彼女の分の新しい歯ブラシを今にもっていき渡す。

「あ、ありがとう。浩平って以外に気が利くね」

 以外にが気になる。その言葉は絶対にいらないだろ。

 歯磨きをを終え、洗顔をし、出かける用意をする。

「服買いに行くぞ」

「おけー」

 彼女は立ち上がり玄関に向かう。俺は先にドアを開け、自転車の準備する。

「よし、出発」

 彼女の掛け声とともにペダルを踏み込む。

 それから特に何もないままデパートにつく。後ろを振り返ると、彼女は目をキラキラと光らせている。

「10年前のデパート楽しみ」

「どうせ、そんなに変わってないんだろ」

「そうだけどー」

 口で言われなくても、のりが悪いなと思われているのはなんとなくわかる。

 自転車置いてくるからここで待っててといい彼女に指示をするが、彼女のことなのできっと目を離したうちにきっといなくなっているんだろう。

 自転車を置き場に置いた瞬間後ろから肩を引っ張られる、予想とは裏腹についてきているとは考えをもしていなかった。

「早くいくよ」

 彼女に肩を引っ張れたままデパートに向かうのであった。

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君と過ごす365日間 萩野 @hagisann

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