第7話  ガラスの欠片

あの子のことを


考えながら


歌を選んでいたの


喜んでくれるかな、なんて熱心に


終わって、疲れてばたんと倒れた布団


さらっと右手を滑らせたとたん


少し鋭い痛み


目を凝らすと


小さなガラスの欠片


親指の付け根が赤くなる


血が少し、流れる


ああ、半年前に


貴方への狂おしい想いに


のたうち回った時に作った


ガラスの欠片


貴方が怒ったの?


年がいもなく貴方をちょっとでも忘れて


若い子のこと思ってたから


なんて


それか


運命の神様からの


罰ならいいのに


よそ見するなって


怒ってよ


疲れて、流されてる


愛に疲れてしまってる


私を

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る