繊細な言葉と感性で紡がれる、やさしくてかなしくて美しい世界

言葉へのこだわりが随所に感じられる文章で、美しい詩を読んでいるようです。
ひとの悩み苦しみに無理解な世間からときに遠ざかり、ときに近づこうと努力するふたり。
ふたりを見守る繊細な感性が、やさしくてかなしくて美しい世界を紡ぎ出します。
透き通った卵のなかの二羽の雛鳥。生まれること、成熟することに抗うアノレキシア。禁じられた遊び。永遠の少年と少女。(本編を楽しんでいただくためにここでこれ以上は書きませんが、)さまざまな形をとって波のように繰り返しあらわれる耽美なイメージに、心地よく溺れてしまうのです。
ふたりの遍歴がどこへ辿り着くのか、どきどき悶えながら見守っています。

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