第6話

"恋は盲目"では生温い



深く澄んだ青色の宝石を、私は幼い頃確かに見た。王宮の薔薇園の中で。迷ったのだと彼女は言った。白い薔薇を背に、幼いながらも薔薇の美しさよりも遥かに勝るその美しい瞳が笑っていた。

間違いない。彼女は私に相応しい。そう思った。だから私は、彼女を嫁にすると決めたのだ。


しかし、後日与えられたのは、隣国との深い関わりがあるという公爵家の仮面姫。私は父と母に掛け合ったが、聞き入れてもらえない。

あの薔薇園の令嬢は、そのあとすぐに消えてしまい、身分も名前も分からなかった。一瞬の強い風で舞い上がった薔薇の花弁と彼女の月に照らされてわずかに光を帯びた白金の髪に目を取られ、そのまま彼女の髪を撫でた花弁が空高く舞うのを見送った。

その一瞬の間に、彼女は消えた。

私は探した。青い瞳と、金の髪を持つ少女を。全ての階級の貴族の娘たちの姿絵を見て、しかし、その中には、彼女の姿はなかった。


仮面姫は、付けている仮面と愛想がない事を除けば完璧な令嬢だった。仮面のせいで全て台無しだが。何であんな、顔全体覆うデザインなんだ。あいつの兄は顔の半面を隠しているだけで、あとは見えているため、令嬢たちが浮き立つ美貌なのは嫌なほど分かった。その妹ともなれば、相当な美人なのは間違いないはずだ。何度か仮面をとった姿を見ようとしたが、失敗に終わった。

まあ婚約者ともなれば私と行動する機会は多くなる。油断したときにでも見ればいい。そう思っていたが、想像したより、というより普通の婚約者としても接触が余りにも少なかった。

私は最初、クロムクライン公爵家の姫君が、見目麗しい私の正妃になりたいと言ったから、私の要望を無視する形で彼女を婚約者に据えることになったと思っていた。

王家としては、帝国に深い関わりがある公爵家の機嫌をとっておきたい思惑もあった。それは分かっていた。

だが実際はどうだろう。

クロムクライン嬢は、あまりにも素っ気ない。第一王子妃、行く行くは王妃になるような資質は確かにある人だったが、可愛げがなかった。私も最初は照れ隠しだと思った。だが、それなりに婚約者でいれば分かる。明らかに彼女は私を何とも思っていない。

だから、望んでいるのは私の妃という立場ではなく、国母という立場ではという結論に達した。この女は、権力が欲しいだけの強欲だと。


それでも彼女との結婚が国のためになるならばと、私は王子としてやれる事をやる事にした。立場が欲しいならくれてやる。父と母も政略結婚だった。国の為になる事だった。ならば王子たる私とて、その程度受け入れる。愛す必要は無いのだ。私は王子として正しい事をして、愛人や側室に愛する者を迎えれば、多少気は晴れる。あの薔薇園の少女も、私が学校を卒業する頃には見つかる。

そう思い、実際、念願叶って、私はかの少女と再会を果たした。

最終学年の半ばに、異例の編入で、彼女はこの国の貴族の子として現れた。あの時の事は覚えていないようだったが、私は彼女がそうだと確信した。

金の髪と青い瞳だったから。可愛らしい顔立ちは変わらず、けれど美しい。多少マナーは付け焼き刃のような所があるが、それでも苦手な事にもきちんと逃げずに、努力する。私はそれに手を貸すことが多かった。甘くなるのは仕方がないだろう。私がずっと会いたかった……恋い焦がれてきた少女なのだから。


彼女は私が助けると申し訳なさそうに、ありがとうと礼を言い、自分なんかで出来ることがあればなんでも言ってくださいと申し出てくれる優しい心の持ち主だった。私の事を好きだと言ってくれた。妃の座が欲しいのではない、私の事を支えたいと言ってくれた。弱音も許してくれた。私はそれが嬉しかった。

だから気持ちは、彼女に傾き続けた。

婚約者は私の行動に微塵も興味は無いのか、私に対して何かを言うことはなかった。ただ、真っ直ぐに私を見るその仮面の奥の見えない目が恐ろしかった。光の加減で偶に仮面の隙間から見えた瞳が、青色だった気がすると特に恐ろしく思えた。


そんなある日、私の愛しい少女、アメリの教科書やノートが盗まれた。それが始まりだった。彼女はクラスメイト達が頻繁に開くお茶会などに招待すらされないそうなのだ。友達が出来ないと嘆く彼女を私は励ます事しか出来なかった。何故彼女だけが呼ばれないのだろうか。そう考えていると、婚約者であるクロムクライン嬢が近々茶会を開くとのことで、私から彼女にアメリの事を話すと、彼女は少し考え込んで、呼べそうなら。といった。正直ほっとした。一応婚約者ではあるが、それらしい事を彼女にしたことはなかったし、周りから見て、私が彼女を嫌っているのが明らかだと従者にも言われていた。話を聞いてくれる可能性すら低かった。それでも正妃の座が欲しいのか、私の事を表立って非難することはなかった。私は浮かれていた。私に向かない分の悪意が、私の大切な人へと向いていた事に、気付かなかった。


ある日の放課後、教室から出て行く長い銀の髪の女子生徒の姿が見えて、疑問に思い教室を見ると、アメリが座り込んで、形見だと言うペンダントを胸に抱いて泣いていた。銀製のそれは修復が出来ないほどに壊されていた。アメリは泣きながら、私の容姿が妬ましい。下民が持つにふさわしくない物でしょう。と、そう言われたと、酷く傷ついていた。

誰にやられたとアメリに問うと、私に迷惑がかかるからと教えてくれなかった。だが、私はつい先ほど、銀髪の女子生徒を見た。私は彼女の前で、その名を呟いた。びくりと、大きく彼女は震えて怯えた。

間違いない、クロムクライン嬢の仕業だ。私はすぐにその場で報告書を作り王宮に届けさせた。クロムクライン嬢は卑劣な手を使ってくる。前から噂で、クロムクライン嬢の兄が夜会に出て妹について聞かれると、見せられるような顔をしていないとか、消極的な事を言っていたと聞いてはいたが、アメリの美しさに嫉妬して、こんな事をするなど、許されることではない!

だが、相手は令嬢といえど、あのクロムクライン公爵家の人間だ。いくら王家が相手だとしても、そう易々と処分できない。向こうはそれを分かっていてやっている。証拠が必要だ。それから、隠蔽工作が出来ない場所で裁かねばならない。恐らくそれすらもあの女は分かっている!なんて小狡い奴なのだろうか!

私は泣き噦るアメリを抱きしめ、少しだけ時間はかかるが、奴に償わせる。君のことは私が必ず守るから、もう少しだけ耐えて欲しいと言った。彼女は震えながらも、私がいてくれるなら怖くないと言ってくれた。


その日から、私は彼女からあまり離れなくなった。彼女を守る。常に警戒したし、クロムクライン嬢に見張りをつけたこともある。だが、奴は私が離れた一瞬に、私の大切なアメリに危害を加えた。中でも酷かったのは、学年一の淑女の鑑を決める催し物の際に、出場すれば選ばれるのは確実だと思ったアメリのドレスを切り刻む事で、参加を妨害し、自分がその地位を奪ったのだ。

仮面の下は見るに耐えない醜さのくせに、よく堂々と舞台の上で綺麗なお辞儀を披露するものだ。私は奴を妃に、側室にすら迎えない事を胸に誓い、アメリを慰めた。

アメリのドレスは肩や背中の部分の布地が無くなり、スカートは歩いただけで膝よりも上が見えてしまう切れ目を入れられていた。なんと破廉恥な。私のアメリに娼婦でも着ないようなドレスを着せようとしたのだ。

しかしこんな大事件を起こしながらも、クロムクライン嬢は尻尾を出さなかった。子飼いにやらせたに違いない。どこまでも卑怯だ。

憎々しく思う気持ちを押し込めて、黙っているしか無いのかと思ったが、天は我々を見捨てなかった。正しいものに救済を与えた。


私が嫌々アメリのそばを離れて、クロムクライン嬢と舞踏会に出た日のことである。クロムクライン嬢が外に涼みに出た。私がバルコニーにいる彼女を影から見張っていると、二階のバルコニーのすぐ側の木を伝って、屈強な男たちが彼女の前に現れた。彼女は何か呟いたようだった。男たちは一瞬意識を失って倒れたが、彼女が軽く指を鳴らすとすぐに意識を取り戻し、また木を伝って地上に降り、夜の闇の中に消えて行った。恐らく魔法だ。昏睡させ、戦意を喪失させ、逃げ帰らせるような何かの魔法をかけたのだろう。流石は学内一の魔力保持者だ。

嫌いな相手ながら、その見事な腕前に内心拍手を送りかけた時だった。私の従者から、アメリに暴行を加えようとした男たちを捕まえたと連絡が入った。

アメリの家はこの舞踏会に参加するだけの爵位がないので、参加できず、けれど何故かこの屋敷のある街に遊びに来ていたらしい。この街には特に物珍しいものや観光場所は無かったはずだが。しかし、そんな事はどうでもいい。酷く怯えているらしいと聞けば行かざるを得ない。クロムクライン嬢には急用が入ったと伝えて、屋敷を出てアメリの元に駆けつけた。そして私は、アメリを襲った暴漢たちを見て、怒りで頭が一杯になった。先ほど、クロムクライン嬢が魔法をかけた男たちだ。間違いない。私という目撃者、アメリという被害者、そして確たる証拠のこの男たち。あの女を裁けるだけのものが揃ったと確信した。


そして、私は卒業式の日を決行日とした。卒業生の親たちや国の重鎮、父や母も参列する、クロムクライン嬢の悪事を白日の下に曝すにふさわしい日だと思った。流石にこれだけの国の中心人物達に聞かれてはクロムクライン公爵家の力を持ってしても、隠蔽は出来まい。

私は正しく悪を捌き、私を支えてくれる美しくて愛しい少女と結ばれるのだ。



……結ばれる。その筈だった。


結果は知っての通り。私はただの道化でしかなかった。裁く側の私が、アメリが裁かれ、批難されるべきクロムクライン嬢は、冤罪の被害者として貴族達に認識されたのである。

私は知らなかった事が多すぎて、確認しなくてはと、アメリに問おうとすると、彼女は逃げようとした。そのまま私も一緒に兵に捕まり、別室へと移された。暫く放心していたアメリだったが、私に、あんなに人目に晒されたのが怖くて、何も言えなかった。私は無実だと訴えた。私の恋した少女がそう言うのだ。ならば信じずに居られるだろうか。


その後、卒業式はすぐさま仕切り直され、終わり次第王達が、クロムクライン公爵たちと話し合うと部屋の外の見張りが言っているのを聞き、大勢の貴族たちに真実を伝えるのは無理でも、我が父ならばと思い、行動に出た。万が一のためと教えられていた王族の為の抜け穴を使い、その部屋に足を踏み入れた。私は改めてアメリの無実を主張したが、全てクロムクライン公爵に論破された。もしクロムクライン嬢が無実だとしても、アメリが受けたというイジメは本当ならば、せめてアメリの身を守らねばと、父にアメリとの結婚を認めてもらおうと思ったが、許しをもらえず、我関せずと椅子に座るクロムクライン嬢が気に入らず、貴様なんかと婚約したのが間違いだったのだと感情的になり、公爵の怒りを買った。父の命令で兵たちに再度捕らえられ、私とアメリは別々の部屋に閉じ込められ、謹慎を命じられた。

腹が立って仕方がなかった。隠し扉を使いアメリに会いに行き、泣きながら迷惑をかけてごめんなさいと謝る彼女の涙を無くし、私の立場を回復する為にもと、彼女にクロムクライン嬢を側室にする許可をもらった。今回の婚約破棄が原因だとするなら、婚約を結び直せばいいだけの話だ。それが私の為になるならと、アメリは受け入れてくれた。直ぐ様手紙を書き、アメリの手紙を同封し、怪しまれないよう侍女を使って、手紙を直接クロムクライン嬢の元へ届けさせる事にした。あの家は使用人、特に侍女が多い。どこにでもいそうな顔立ちの侍女なら、紛れ込んでも気付かれないだろう。そう思って。その際にアメリが侍女に何かを渡していたのが気になって、あとで聞いてみると、もし逆ギレして魔法をぶつけてきたら危ないから少しでもお守りになるように治癒薬の瓶を渡したと言った。

やはりアメリは美しいだけでなく優しい。クロムクライン公爵家の連中の主張は言いがかりだ。私はそれから毎日、手紙を送り続けた。手紙を届けさせた侍女は急病になり居なくなったという。奴らが何かしたに違いない。アメリも閉じ込められている生活により日に日に気分を悪くしているらしい。前の優しい彼女が見られるのは私の前くらいだと従者も言っていたが、部屋から出られないというのはそんなにも苦痛な事なのか?

クロムクライン家から手紙の返事は無い。だが書いて届けた内容が全て父に伝わっている事が分かり、手紙は少し控えた。すると多少の反省はしているとみなしたのか、父がやってきて、成人の式の夜会に、挨拶だけ出席させると言った。ではアメリもと聞けば、それは出来ないと言われた。アメリの精神状態は良くない。しかも卒業式にあれだけの貴族の前で公爵を敵に回したのを見られていて、まともに出席できると思うかと聞かれれば、アメリは部屋から出さない方がいいと思った。

それにクロムクライン嬢がアメリに何かしないという確証もないのだ。

アメリの為と憎しみを殺して、夜会では大人しくクロムクライン嬢の機嫌とりをして、婚約を成立させ、それを条件にアメリを救ってみせると自分を奮い立たせた。


夜会の日、入場順の関係で列の1番後ろに着いた時だった。目の前に見えた銀の髪に、苛立ちが募った。文句を言ってやらねば、今日の夜会でまともでいられる自信がなかった。私は怒りをその銀の髪の持ち主に向けた。


しかし、それも一瞬のことだった。

銀の髪の主は、悠然と、振り返った。私は何も言えず、固まってしまった。


どんな至高の青い石よりも美しく澄んだ青色の瞳と、光を帯びて煌めく銀色の髪の、あの時の彼女に、再会したのだ。

目が覚めたようだった。

あの時の少女は、アメリなんかではない。

あの時の少女は、アメリの青い瞳よりも澄んだ青色だった。金色だと思った髪は、光を受けて少し色を変える藤色を帯びた銀色だ。

目の前にいる、この優美な女性だ。今まで一体どこにいたというのだろう。この国の貴族には居なかったはずだ。

何故、今この時になって。そう思わずには居られなかった。気付けば彼女をダンスに誘っていた。彼女はその瞳の冷たさすらも美しく身に纏って、攻撃的に笑った。


「今更誘われても、踊ってあげない」


その声を聞き間違える筈はない。考えてみれば、彼女の髪は、光の加減で七色にも変わるとても珍しい銀の髪だった。あの時の、教室から出て行った銀の髪は、夕陽を受けてもただの銀色にしか見えなかった。


まさか、そんな。


大きく開いた扉の前で、彼女がそれはそれは、見事なカーテシーを披露して、あまりの美貌で視線を集めたまま、身内の所へ向かう。真っ直ぐに進む先にいるのは、仮面をとって完全なる素顔を曝したクロムクライン公爵、その人だった。確定だ。私がかつて恋い焦がれ結ばれることを切に願った相手は、カティア・クロムクライン。私が嫌い続けた令嬢だった。私が呆然と見ている事に、公爵は気付いていたらしい。カティアを大切そうに傍におくと、拍手を周りに促し、カティアに注目を集めつつ、私を見て、確かに笑った。公爵として交渉を優位に進める時の笑みでも、勿論親しみのある笑みでもない。

悠然とした、覇者の笑み。嘲笑にも近いそれが、言葉は無くとも何を意味するかわかった。"ざまあみろ"と。

婚約を望んだのは王家、そしてそれを公爵家に強いたのは私だ。私は自分で望んで、自分で壊した。それに気付いた。正しく、愚かな様だ。私は、アメリが"彼女"だと思ったばかりに、公爵が便乗して一芝居打っていた事に気付かなかった。

もし私があの日婚約破棄など言い出さず、今日この日を迎えていたら、カティアと私の婚姻は成立した。彼女を溺愛している公爵はそれを望んでいなかったのだろう。だから、アメリという爆弾が現れた事に便乗して、カティアの素顔に関する情報を意図的に噂にしておいたのだろう。醜いカティアはアメリの美しい容姿に嫉妬したからと、私に動機の1つとして思い込ませるために。公爵は、カティアの素顔について、見せられる顔ではないと言った。確かにそうだろう。見せて仕舞えば、私は彼女と何が何でも結婚しようとするから。見せられる顔ではないと言いはしたが、それがどう言う意味で見せられないのかは言っていない事だろう。彼はたとえ芝居でも大事な妹を貶す言葉を愛しいが故に言えないのだから。


夜会の日の後、私は部屋に篭った。アメリの所に行こうとはもう微塵も思わなかった。ようやく冷静になれたのかもしれない。


今考えれば、私はかなりおかしくなっていたのが分かる。今更調べてどうなると、そう思わないでもなかったが、自分が何をしてしまったのか、知る必要があるのは確かだった。

だから、調べた。アメリの言うことを鵜呑みにして、ろくに調べもしなかった、アメリへの嫌がらせやイジメの件。そしてカティアが主張した事が事実かどうかを。

結論は、1日あれば呆気ないほど簡単に出た。

当たり前のカティアの無実。嫌がらせやイジメは、カティアを一方的に敵視していた、クロムクライン公爵家に対立する侯爵家の令嬢とその取り巻きがやっていた事だった。

お茶会に呼ばれないのは主張通りマナーの勉強不足が原因で、

同性の友人がいないのは周りが嫉妬したからなんてことはなく、本当に男性との交友関係が広く深すぎたから、余計な遊びを覚えないように親たちがきちんと情報収集および子供の教育をしていたからだったし、

カティアは金属アレルギーで、あの日アメリのペンダントが壊された日に、母と共にお茶を楽しんでいたし、

ドレスの一件もミセス・マリアン本人に確認して、あんなドレスを作りたくないと言ったら店を潰すとまで言われて渋々と、渡された型紙通りに作り上げたものだと証言が上がった。


私は一体、何をしていたのだろう。あまりの愚かさを自覚すると、自分という存在そのものが恥だとよく分かる。


何が、"顔だけでなく、中身も醜い女"だ。先程覗いた部屋にいたアメリの方が余程醜かった。澄ました顔でお茶を飲みながら、侍女に当たり散らすその顔も、出る言葉も全て、醜いじゃないか。

その本質を見抜けず、美に喜んで躍らされ、カティアを非難した私は十分愚かで醜い。

これ程の恥も後悔も、した事はなかった。


居ても立っても居られずに、私は筆をとった。そして長々と書き綴ったそれを、読まずに火にくべられるか、破り捨てられる事を覚悟の上で、正規の手順を踏んでクロムクライン公爵へと送った。

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