㊵『総文字数がどれくらいになるか、あらかじめ予測するには』

(ご挨拶)


▽こんにちは! ゼロから講座にお越しいただきありがとうございます!

 この講座は、『小説を始めたばかり』or『小説をこれから始めたい』という方へ向けてちょびっと役に立つノウハウを紹介しつつ、尾崎ゆうじと一緒にゼロから一緒に楽しく小説を書き上げましょうという企画です。


「けっこう参考になるじゃん」と思った方は、講座や尾崎ゆうじのフォローをお願いします。


(2020.10.25からテキストのみの講座になりました。過去のyoutube動画に関しては、追って少しずつ文字起こししていきます──と言っていたのですが、かなり大変な作業だなということを痛感したので、テキスト化は相当量の要望が無いかぎり、ゆるゆると放置する可能性が高いです。少しクオリティを下げてのテキスト化は、ちょっと考えています) 


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(今日の講座)


『20201128 字数やページ数という入れ物を想定する』


 みなさんこんばんは。


 気づけば夜になっていて、


「やることいっぱいあるし、今日も休講かー」


 と思ったのですが、ちょっとくらいやろうかと考え直しました。



 さて、以前こんな質問を受けましたので、僭越ながら私からはこのように回答をしました。それについて、短い回答だったので、さらに少し補足したいと思います。


質問の引用

『文字数を想定してアイデアを作れるのが凄いな、と思ったんですけど、その文字数感覚はどうやって身につけたんですか? 慣れでしょうか?』


 ──作品が完成したときの文字数をあらかじめ想定する方法は、どのように身に着けるのか? という質問ですね。


 それに対する私からの回答はこちらです。実際のところ6000字で想定し、調子に乗って9000字書いてから削るような人間であることは先に述べたうえで(笑)、こう答えさせていただきました。


回答

『質問ありがとうございます。たぶん慣れです笑


 ある程度体感できるようになるには、実際に書いて、他人に読んでもらったり、自分で読んでみた時の、『詰まり感』によって学ぶことになると思います。


 なんか、この字数で作品書いて、まとまったように感じてたけど、このキャラが途中退場してね? とか。なんか、中身全然すかすかして退屈だけど、字数は多くね? とか。


 前者の場合は、想定字数に対してアイディアスケールが大きすぎる可能性が高い。後者はその逆、という感じで、特定の旅行バッグを用意された時に、荷物がちゃんと入るか何度も入れなおしているうちに、「大体2泊3日の国内旅行なら、このくらいだよね」と学びますよね。同じような感覚です。


 バッグの素材などによっては、普段通りにいかない場合もありますけどね。今回書いてみて思ったのは、どんでん返しの方が字数は少なめにしやすい、ということかなと。


 それでも私が字数感に対する精度が上がってきたなと思うのは、気になるどーをやってからかもしれません。


 これから書きたい作品がある場合に、字数制限がある時には、同じ土俵に立っている優れた作品を読み切って構成要素を言語化してみると、効率的に体感できるということですね。


 特に、規定字数内で十分に起っているキャラが何人いるか、ということは重要な指標になります。


 これをやる時は、あくまで面白いかどうかで判断しましょう。それすなわち、効果的に登場人物を使えている作品ということなので。』


 

 ──です。内容としては、


① 自分で経験して「こういうストーリーと登場人物たちなら、このくらいの枚数」ということを体感し、その記憶をストックしておくと、だんだん想像がつく


② 他人の作品を、自分の作品よりも重要だというくらいで読み、構成要素を言語化していくと、それも重要なサンプルになる。


 ということになりますね。


 ①は身もふたもないし、繰り返し書いていれば勝手に身につくと思うので、今回補足したいのは②です。


 まずは作品選びですが、条件として


 1)自分が面白いと感じる作品か

 2)自分が書けるジャンルの作品か(よく読むジャンルか)

 3)読者からの人気が高い、あるいは書籍化している、なんらかのコンテストで受賞・あるいは一冊でまとまった内容になっている(ちゃんと起承転結や序破急などの構成になっていて、序盤から盛り上がって最後は一定の目的を達成→そのうえで『続きは次回』となっている)

 4)一定のオチまで読んだときに、字数がどのくらいかきちんと数える。※ネット小説の公募以外は原稿枚数で決められているので、イラスト等を除いたページ数を数える。(この場合、そのターゲットとしているレーベルの作品であることが理想。文字数×行数が変わると、全体のページ数も必然的に大きく変わってくるので)


 こんな感じです。基本的に公募で書籍となった作品は、多くの場合これを満たしている可能性が高いので(のちに恐るべき改稿によってページが追加されているものも)、特定レーベルの直近の受賞作などは、参考にしやすいと思います。


 そのうえで、これに対して『フル読み書評』するつもりで読みます。この場合、文章まで細かく見る必要はなく、いつもどおりの読書をしたうえで、以下の構成要素を取り出し、それを何冊かやっていると、字数に対する感覚を養えるはずです。


 作品の中身に夢中になると、これがやりづらいので、読んだ後で見直すような感じになると思います。


(字数感を掴むために把握すべき要素)


 ・ストーリーのまとめ(大まかなプロット化、シナリオ化)

 ・おおまかなシーンの数

 ・登場人物の数

 ・そのうちの主要人物の数(主人公やヒロイン、敵役、強めの脇役など、台詞や行動に多くのページを割いている人物)

 ・設定説明パートの数


 このあたりを把握しておくと、何作か読めば必ず感覚的につかめるはずです。要領の良い人なら、最悪2作でも大丈夫かと。


 短編の場合は6000字だとか10000字だとか、あると思いますが、その場合は読むのにさほど時間もかからないので、過去の受賞作品だとか、あるいはなろうやカクヨムの年間ランキングなどを実際にチェックしてみると良いと思います。


 もちろん総文字数は確認すること。それと最近のなろうでは、短編詐欺が横行しているようなので注意が必要です。長編として書くためのアイディアに対し、読者の反応を見るため、あるいは告知のため、冒頭のみ抜粋などしたものを短編作品としてアップしているものもあるそう。


 当然のことながら、そういった作品は字数の把握には役に立ちませんので、お気をつけください。


 

 以上で私からの回答に関する補足はこれで終了ですが、ほかにも参考となる文献を見つけたので、シェアしたいと思います。


 最近カクヨムのトップページに、公式から『創作のお役立ち特集』的なページが用意されていまして、そちらで発見しました。


 私も過去に、あらすじを使って作品ボリュームをはかるべく『骨すじ』『肉すじ』というそれぞれ骨組みだけのあらすじを用意したり、それに肉付けしたりと努力していましたが、それよりもきちんとやり方なども体系化されており、わかりやすいです。


 作者さんはプロのシナリオライターらしく(憧れますね)、そのうえで小説を書くときにあれこれ悩んだそうです。


 氏いわく、小説の内容をシナリオとして一度落とし込むと、小説にした際に文量がほぼきっちり2倍になるということだったので、例えば10000字の作品を書きたかったら、規定のシナリオ様式で概ね5000字以内のものを書けばよい、という単純な話になります。


 以下にリンク貼るので、良ければご参照あれ。とても勉強になりました。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054880716109


 ではでは、またお会いしましょう。お疲れ様でした!



────────────


創作コーチ


尾崎ゆうじ


▼以下のリンクは、ドラッグしてコピー → 検索窓に貼り付けて検索してください。


(note)


 https://note.com/ozaki_yuji

 


(youtube)


https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber 

 『ゼロから講座』の過去動画はこちら。書評動画もあるよ。



(stand FM)


https://stand.fm/channels/5f810a3bf04555115d146941 


 初~中級者向け。企画で語りきれなかったコメントの深掘り発信を音声で『気になるどーラジオ』


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