企業の選び方

就職活動をしているとついつい大手の会社説明会に行きがちだけれど、一概に大手がいいとは言い難い。製鉄系を大手のゼネコンに籍を置いていたけれど実際にはお金をふんだんに使っているので作業がシステマティックになっている。ゼネコンというのは建設業でもビルとかを作る仕事である。昔ながらのイメージで大学では教えられがちだけれど基本的に現代のゼネコンとはかけ離れているので要注意すべきだと思う。コンクリートや鉄筋の数量出し、施工計画書の作成、施工管理業務を行うのが施工管理と思われがちだが、数量出しはPCのアプリケーションが行ってくれてかぶり厚さも計算してくれる。施工計画書も数量出しが終わった段階で概ね会社で定められているので特に自分たちでやる仕事はない。では施工管理業務はといえば、もちろん安全に仕事を行うための是正勧告や、労災の後処理などがあるが、モノを作っている感覚は皆無である。基本的な業務は配筋検査前の写真撮影がメインなのでカメラをもって一日中周りまくる。時折センスを求められる作業が回ってくるけれど、センスと言う名前のダサダサ管理なので作業効率もなんもないし、仮に失敗しても職人に任せてクレーンで動かしてもらうだけなのでそんなに責任感のある仕事をさせられている感覚はない。私は前も言った通りIoT化に力を入れていたのでそれでもまだ自分にしかできない仕事があったのだけれどオーロラビジョンを入れる時にそれが中国製のパチモンだと気づいたときにはショックがでかかった。何を選択しても間違った英語か、中国語で表示されるので設定パラメータがわからない。それに加えてAirplayを使おうとしていたのだけれど世代の古いAppleTVだったのでこれも最新世代のiPadとの互換性に問題があった。WiFiは使ってはいけない帯域をなぜか使える中華製の外部アンテナを使っていてしかも感度がめちゃくちゃ悪いという仕様だったので(たかが20mが飛ばない)デジタル計画はこれからもしかしたら頼りにされる時代が来るだろうけれどそれを建築学生がやろうとなるとTCP/IPの基礎知識が必要になってきて、自分の専攻とは全く関係ない世界の話にズブズブと入り込んでいかなければならないので、結論としてはIT系の学生がこれからの建設現場には入ってくるのではないかと邪推できる。

ここまで大手での仕事について話したけれど、大きい会社ほど歯車感は半端ない。小さい会社ほどノウハウを持っていないので自分たちの知識の出し合いになるが、ここで大切なのは大手よりも優れた技術を持ってくる必要があるということである。大手の方が多少高くても確実に施工してくれるので安心を買う企業が圧倒的に多い。例えば施工エレベーターなんていう技術は大手発なのだけれど、こういう技術を中小が開発していたらその会社の強みになる。

 さてブラックかホワイトかという話も当然必要になってくるが日本企業は9割方ブラック企業なのでみんなは安心して入社するとよい。外資系のガチ外資だと18時前には仕事が終わり、一日のノルマが終わったらその時点で仕事は終了しているので余暇時間を過ごすことができる。狙うなら外資。あまり知られていないけれど外資中小はねらい目だと思う。nVIDIAなんて本当に小さい会社として始まった会社だけれども今やGPU大手として君臨する大企業様だ。GPUなんて怪しい技術どこの会社が採用するんだよ、デジタル信号を映像にするだけの仕事しかしないんだからCPUに画像処理の演算も行わせれば最強、GPUなんて最低限積んでいればいい。これが20年前の話になる。ところがどっこい現代ではnVIDIAの方が優位に立っていてプロセスルールも進んでいるという脱Intel構想すらあるので今回のArmの買収は恐ろしいと気づくだろう。先日発表されたMBAはArmコアを使っていて、今後もArmで展開するとのことなのでnVIDIAの技術は最先端を行くことになる。20年前まではうさん臭かった会社が今やトップ企業にランクインすることになるのだから中小で頑張ってみるのもありかもしれない。

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