進学するときに「プログラミングをしたい」は地雷です

石宮かがみ

第1話 進学先で失敗している人がすでに沢山いる件について

いきなりですが、プログラミングしたいですか?

進学先に情報工学か電子工学を考えていませんか?


よくある失敗事例として、プログラミングを学ぶために電子工学の道へ進むというものがあります。

一般的には電子工学で扱うのは半導体などです。用語が分からない場合は検索してください。ここで、分からないをそのままにして進んだ結果として、後から後悔する人が沢山います。

コンピューターは導体や絶縁体、半導体で出来ています。この説明は一見正しいのですが、機械部品には興味が無く、プログラミングに興味があるとなれば別です。

ゲームだとかインターネットのサーバーなどのプログラミングをしたい、そんな目標から見たとき、半導体の勉強をすることには意味がありません。

例えば絵を勉強したい人は、絵を勉強します。顔料の作り方、布の作り方や、紙バルブの作り方を勉強したりはしません。

高レイヤーなプログラミングから見た電子工学は、液晶ディスプレイの作り方とか、キーボードの作り方とか、物理的なものを作る話であり、魔法使いみたいなプログラミングとは一切関係ありません。

例えば高校の電子工学だと、私の世代ではプログラミングはBASICのチュートリアルを習う程度でした。独学なら最初の2週間で終わるような内容ですが、プログラミングについては卒業までの3年間でそれだけしかやりません。なぜなら、電子工学において大事なのは半導体の特性や回路設計であり、プログラミングは本来関係ないからです。

ゲームを作ってみたいなとか、パソコンで動くなんだか凄いものを作りたい人は、進学してから気づきます。これはどうやら進学先を間違えたようだぞ、と。そして卒業後にあるあるネタとして扱われます。苦笑いしながら、「俺、プログラミングをしたいと思って電子工学学科に入ったんだよね」と。

なにも知らずに電子工学へ進む人はかなり多いです。


次に、よくある失敗事例として、プログラミングを学ぶために情報工学の道へ進むというものがあります。

情報工学はプログラミングに関係する概念を多く学びます。

これは正解に近いのですが、学問というのはアカデミックなものです。つまり、「プログラミングの裏側ではなにが起こっているのか」を中心に学びます。

基礎力がつくので良いですね。と、そうはいかないのが不思議なところ。

低レイヤーなプログラミングについて理解し始めると、結構な割合で脱落する人が出てきます。

「俺がやりたいのは魔法であって、この地味な設計~プログラミング作業ではない」

「俺はプログラムを使うのが好きなのであって、作る側ではない」

そして辞めていきます。

また、現在のように、高機能IDEでフレームワークによる超高レイヤーでのプログラミングをする場合、基礎の多くはあまり関係ありません。しっかりやるなら必要ですが、仕事で必要な範囲の多くは仕事をしながら独学でも学べるものが多いです。

なので、すでに独学で真剣にやってきた人からすると、学校レベルのものはレベルが低すぎるのです。大学レベルでもピンキリです。


まとめると、電子工学はプログラミングと関係ないです。

情報工学はプログラミングもやりますが、プログラミングで何かを作るところではなく、2進数を扱うコンピューターとは何なのか、コンピューターの扱いやすいデータ構造とは、という感じの理論的な部分をやります。


以上、進学するときは気をつけてくださいね!

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