第4話自己紹介

皆が、それぞれノイズに言葉をかけている。


「では、また会いましょう!」


「おう!気をつけて帰ってくれ。また、会おう!」


こうして、ノイズは去って行った。


「さて、寂しいが仕方ないよな。よし、行くぞ」






俺が仲間を引き連れ、家に帰るとセバスが待っていた。


「ユウマ様、お帰りなさいませ。そしてお仲間の皆様も、ようこそいらっしゃいませ」


「ああ、ただいま。皆は、揃っているかな?」


「シグルド坊ちゃん以外は、揃っております」


「まあ、叔父上はまだ寝ているかもな。仕方ない。皆、付いてきてくれ」


俺は、家の中を興味深そうに眺めている仲間達を引き連れ、会議室の中に入る。


「すまない、待たせたな」


「大丈夫よ。こちらも使用人などに、説明を終えたところだから」


「母上、ありがとうございます。本来なら、俺の仕事なのに……」


「いいのよ。私も何かしていないと、落ち着かなくて……じゃあ、紹介してくれる?」


「そうですか……。ええ、紹介します。皆、好きな所に座ってくれ」


皆が座る中、シノブは何故か動かない。


「おい?どうした?」


「私は、団長の隣が良いです!」


「はいはい、好きにしてくれ」


「んー!団長のデレ期はいつ来るんですか?」


「知らん、そんなもん」


俺が上座に位置に座ると、シノブは横に座る。


そして、そのやりとりを見ていた身内から、声が聞こえてくる。


「凄い可愛い人だけど、お兄ちゃんの彼女かな?」


「あら?もう、お嫁さんを連れてきたのかしら?」


俺はとりあえず、聞こえないふりをする。


「皆忙しい中、集まってくれてありがとう。俺自身まだ実感はないのだが、このミストル男爵家を継ぐことになった。で、とりあえず自己紹介をしていこう。必要なのは名前、年齢、俺との関係性、あとは任せる」



「では、ユウマの身内から順番にしましょう。まずは私からね。私の名前はエリス。ユウマの母です。年齢は……内緒よ」


母上は身長165ほどの、メリハリのある体型の美女だ。

腰まである銀髪と、碧い目が特徴的だ。

ちなみに、銀髪は回復魔法に適性ありの証だ。


「すげー美女だなぁ」


「団長に似ていますね!」


「将来のお義母様?」


最後になんか聞こえたけど、気にしない。


それを聞いた母上は、背筋を伸ばし微笑む。

うん、相変わらず綺麗な母上だ。

とても、40を……ゲフン、ゲフン。

いけない、危うく叱られるところだった。


「じゃあ、次はわたしかな?わたしの名前はエリカです!12歳です!ユウマお兄ちゃんの妹です!いつも、お兄ちゃんがお世話になってます!」


「あれが、噂の……」


「ああ、団長が溺愛しているっていう……」


「確かに、可愛らしいですわね」


「あの子が、将来の義妹かー」


最後にまた何か聞こえたが、気にしない。

気にしたら、負けである。


エリカは身長150ほどの美少女だ。

大事だからもう一度言おう、美少女だ。

母上に似て、将来は間違いなく美女になるだろう。

ただ髪と目の色は、親父似の黒だ。


ちなみに冒険者仲間の発言を聞き、耳まで真っ赤で俯いている。

なんだ、ただの天使か。

ふ、相変わらず可愛い妹だ。



「次は、私でございますね。私の名前はセバス。年齢は60歳で、執事長を務めております。ユウマ様が生まれた頃から、お世話をしていた者でございます」


セバスは身長180ほどで、白髪の似合う、とてもダンディな人である。

髪はきっちりしたオールバックで、いつも執事服を綺麗に着こなしている。

ちなみに、おねしょを隠蔽してもらったことがあるので、頭が上がらない。

まだ6歳だったから、セーフなはず……セーフだよね?


「私で最後ですね。私の名前はクリス。年齢は60歳で、メイド長を務めております。私もセバスと同じで、ユウマ坊ちゃんをお世話していた者でございます。ちなみに、セバスの妻でございます」


クリスは身長155ほどで、手入れの行き届いた白髪を一本に束ねている。

笑顔がとても素敵で、みんなのおばあちゃん的存在だ。


ちなみに俺が物心ついた時には、祖父母は亡くなっていた。

なので、セバスとクリスは俺とエリカにとって、祖父母のような存在である。


「じゃあ、次は俺の仲間の紹介だな」


「え?お兄ちゃんはしないの?」


「え?俺もするの?」


「私お兄ちゃんの職業とかランクとか、よく知らないもん」


「あー……言われてみれば、そうだな。わかった」


俺は若干照れ臭いが、自己紹介をすることにする。


「えー知っているとは思うが、今回男爵の爵位を継承することになるユウマ-ミストルだ。年齢は20歳。職業は冒険者兼貴族ってことかな。冒険者ランクは4級で、得意なのは剣と回復魔法だな。このパーティーの団長で、役割は前衛ヒーラーと言ったところだ。これから色々迷惑をかけるだろうが、よろしく頼む」


「母は、息子が立派に成長して嬉しいわ……」


「ユウマ坊ちゃん……ご立派になられて……」


「よ!バーサクヒーラー!」


最後のは、俺の二つ名みたいなものだ……どうにかならんかね?



ちなみに俺の容姿は、母上そっくりらしい。

身長175くらいで、母上譲りの銀髪に碧い目。

体型は、細く引き締まった感じかな。

昔は、女の子に間違われるくらいだった。


……嘘をついた。今でも、たまに間違われる。

なので、俺は男らしい人に憧れている。

そう、叔父上のような。



「よし、俺の家族の紹介は終わったな。では、冒険者仲間の紹介をしよう。ますは、アロイス」


さて、誰も余計なことは言うなよ?……シノブが不安だ。











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