ある森に住む、とある人びとのお話。

この物語は、なにか事件が起こったり、謎解きをしたり、どきどきわくわくするような種類のものではありません。
たとえるならば、あるひとつの民俗の報告。
あるひとつの生態系のレポートです。
おだやかで、仲睦まじく、なにもかもわけあって、みんなが家族。
小柄で愛想がよく、器用で朗らかで、決してお互いに仲違いをすることはありません。一対一の結婚制度を持たず、結ばれた相手が複数人いることは普通です。
どうしてこのような人びとが存在するにいたったか。その理由が明かされたときには、驚くとともにとても納得できたのでした。
彼らは、本当にどこかにいるのかもしれません。
よろしければ、ぜひ手にとってみてください。