第13話 忘れてた

あー眠い。今日は全然眠れなくて気付けばもう四時間目。前の話を読んでくれればわかるだろう。そして俺は、授業中に眠る予定だったんだよ。だけどな。だけど、なんか朝から平野さんから呼び出しを食らってしまった。告白か?なわけないか。嫌われてるっぽいし、、、

けどさ。皆はそんな状況で授業中寝れる?俺には無理だった。なんせ人生初の経験だからな。


あと、これだけではない。蝶野さんから監視をつけることになると聞いていたが、まさかこんなにも早く来るとは思わなかった。それは朝のこと







大谷「ハイ皆、席についてー」


「ちょっと、センセー早いっしょ」


「ええ、もう少し時間はあるはずですが、、、」


大谷「ヘーセンセイニソンナクチゴタエスルンダースゴイネー、、、

   度胸あるじゃないですか。アナタタチ」


「「ひっ!」」


先生やっぱり怖い。Sだ。すっごく怖いS。担任の先生もっと優しそうな人が良かったです。はい。


大谷「それに今日は、唐松さんみたく中途半端な時期だけど、転校生がこのクラスに来ます!」


途端にクラスの生徒達はどよめきだす。まあ、俺も自分のクラスに転校生が来るのは、人生初だし。みんなの気持ちが分かった気がする。ちょっとだけ。


大谷「はい、入ってきていいわよ」


「「「「「綺麗だ、、、」」」」」


俺の時みたく、女子らしい、可愛いぃ!! ではなく

イケメン俳優がヒロインに言うような、綺麗だを、クラス全員が口をそろえて言う

俺も声には出さないものの、心の中でそう呟いてしまったが、


「おま!?、、、なんで!?」


「「「お、おま?」」」


「ふふ、今日から宜しくお願いします。蝶野右京と申します♪」


そこには、朝ぶりの蝶野右京がいた。すっごく笑っていた。













「へー響歌ちゃん蝶野さんと知り合いだったんだぁ」


「キョーちゃん!ウーちゃんといつ友達になったの?」


蝶野「蝶野さんは少し硬すぎるというか、、、せめて名前で呼んでもらってもいいですか?」


そんな歓迎トークが、なぜか俺の机の前で行われている。何故だ。


「じゃあさ右京ちゃん!彼氏とかいる?」


そう会話を切り出したのは俺の席の隣で最近よく話すようになった岡崎さんだ。


蝶野「いえ、そんな彼氏だなんて、、、したい人はすぐ近くにいるんですけどね?全然私のことを見てくれないんです」


「「「「「キャー!」」」」

ね?と言わんばかりにチラ見してくる。学校に来てまでからかわないでくれよ。あとその寂しそうな目はなんだ。からかいのクオリティが過ぎるぞ。


岡崎「右京ちゃんみたいな綺麗な人に狙われたら男なんてパクっと捕まっちゃいそうだけどねー」


突然だが彼女はこのクラスのムードメーカー岡崎さん。ちなみに友達の数は多すぎて分からない、曰くこの学園のすべての生徒が友達らしい。


蝶野「生憎この年になってもそんな心を持ち合わせていない人がいるんですねw」


だからその ね? みたいなチラ見をやめろ。俺は持ってないんじゃない、その相手がまだ―――


「でもこれを機にいろんな人を狙ってみたら?理事長が経費渋ってお知らせのチラシとか全く配ってないけど、今年からここ共学だし」


「まあそれを知ってるのは頻繁にこの学校のホームページを見ている人くらいでしょうけど、、、たしか、、、ちょうど今年からだったかな?」


「そういやアンケート進級前くらいに来てたよね。中等部とどっちもに配布されたらしいけど、共学なってたのは知らなかったー」


「あったねー。なんか共学化についてとか、最低限どうなら登校を許すとか」


「私女装したらって書いちゃったーw」


「てか、8割くらい女装って書いてなかった?」


驚愕の事実、、、女装はそこから来ていたのか


「でも、いつまでも経験ないのはもったいないねー」


岡崎「そうだよー。それにいつまでも異性に慣れてないままじゃ、綺麗だからすぐ男に連れてかれちゃうぞー?」


蝶野「ですから、異性ならすぐそこに、、、!」


あれ、突然黙って、、、なんでそんな焦ったような表情でこっちを見てくるんだ?

あ、、、


「異性がすぐそこにいるの!?!?」


蝶野「いえ、、、この辺りは繁華街などが多いので、十分そんな機会はあるんじゃないかと」


岡崎「そっか!私たちにもチャンスはあるんんだ!みんなで彼氏を作るぞー!!」


「「「オー!!」」」


なんかまとまった。てか、なんだって?共学化を知ってる人と知らない人がいる?

つまりここで女装を解いたら、、、、


あいつ、、、絶対忘れてたよな。経費がどうとかって、絶対いいわけだよな。


あ、ちょっと理事長室、、、放課後行くか♪





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