8日目 救世主探し

ーー世界が終わるまであと62日



彼は地球冷却装置の全貌を知った。あれは世界を救う物と同時に世界を滅ぼす物であることも知った。それでも彼は覚悟を決め、世界を救うことを決意したのだ。



「多野本さん、設計図を手に入れたのは良いですが…これからどうすれば良いんですか…?」「そうだな…設計図があるからといって、素人に開発出来る代物ではないからな…技術だけならまだしも、時間が無いから人手も必要になってくる…どこかの団体の協力が必要になってくるだろう…」「IESOはどうですか…?技術もあるし、人数も足りると思いますよ…!」「いや…IESOはダメだ…」「なんでですか…?」「IESO内部にもNWの人間が潜入しているからだ…」「なぜ多野本さんはNWに詳しいんですか…?」「ワシ自身がNW内部に所属していたからな…」「え…多野本さんは元々NWの人間だったということですか…?」「まぁ…内部に潜入していたという表現が正しいかな…ワシは昔、日本の小規模な諜報機関の協力を得て、NW内部に潜入したのだ…」「何の為に…?」「総理時代に奴らの噂を聞いてな…何が目的なのか知る為に潜入したのだよ…元総理と言ったら、すぐ歓迎してくれたよ…」「奴らの目的は何ですか…?」「簡単だよ…世界征服だよ…その為に地球冷却装置を利用しようとしているのだよ…」彼は多野本さんからNWの情報を色々と聞かせてもらった。



「そんなことがあったんですか…それはともかく、開発はどうするんですか…?」「ネットで募集をしてみるか…」「危険じゃないですか…?NWの奴らがもし、見つけたら…」「君はまだ高校生だ、NWの人間も君が地球冷却装置の設計図を持っているとは思わないだろう…?」「確かにそうですね…」「もし見つかったら、すぐには情報を教えず、ある程度やり取りをし、怪しいかどうかを調べるんだぞ…?」「分かりました…では探してみます……(誰か高度な機械などを開発してくれる団体を知りませんか?)これでよしと…」「あとは返信が来るのを待つだけだ…」彼らは返信が来るのを待った。返信が来たのは二日後のことだった。



ーー世界が終わるまであと60日

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