7日目午後 嘘と真実

ーー世界が終わるまであと63日と15時間



「あなたが多野本さんだったの…?」「すまないね…今じゃ身を隠さなくてはいけなくなったからな…」「なんで身を隠す必要があるんですか…?」「説明してもいいが、君も追われる身になるかもしれないぞ…?」「構いません、自分はヒーローになる男です。」「覚悟は出来ているようだな……なら教えよう…地球冷却装置が兵器でもあるからだ…」「地球冷却装置が兵器…?」「そうだ…地球冷却装置という名目でごまかしているがれっきとした兵器だ……」「地球内部の温度を下げる以外にどうやって兵器として使うんですか…?」「地球内部の温度を下げるには莫大なエネルギーが必要だろ…?もし、そのエネルギーを使って電気や火を放ったらどうなる……島を軽く吹き飛ばす威力を持つ、兵器になる…」「国はもう開発したんですか…?」「いや…まだ開発はしていない、設計図を持っていないからな…」「なんで設計図を持っていないんですか…?」「私が隠してるからな…設計図が描かれた当時、設計図は総理が管理することになっていたのだ…ワシが総理になった時にも設計図の管理を任されたよ…その時に設計図を見たのだが、明らかに冷却装置以外の使い道を考えていたのがすぐ分かったよ…兵器として使うだろうと……」「それで設計図は…?」「すぐに設計図の偽物を作って、それを本物のように隠したよ…設計図はいつかは必要になるだろうと思って私が隠し持ってるよ…」「偽物だとバレなかったんですか…?」「開発をするまでは気付かないよ…総理には設計図の知識は無いからな…一部の国の関係者しか知らないからな…だが、地球冷却装置として開発を始めようとした時に気付いたみたいだがな…」「国が設計図のコピーを持っている可能性はないんですか…?」「考えてみろ…コピーをしたとして、国外に持ち出されたりしたら大変なことになるだろう…設計図はコピーしても印字されないようになっておる…写真を撮っても文字が見えないようにもなっておる…」「国は多野本さんが持ち去ったのを知ってるんですか…?」「公にはなっていないが…一部の人物は知っている…ワシの秘書も奴らの仲間だからな…」「奴ら…?」「世界的犯罪組織……NEW WORLD(以下 NW)だよ…」「NWって……あの…各国首脳同時誘拐事件を行なったグループのですか…?」「そうだ、奴らは日本内部にも潜入していてな…国会や警察内部にも潜入している…そして、奴らは地球冷却装置の事を知ったんだ…もし奴らが地球冷却装置を開発して、地球の爆発を阻止したらどうなる…奴らは地球冷却装置を兵器として活用し始め…各国を脅し、逆らう国を攻撃することなったら世界は奴らの思うがままになってしまうだろ…」「国はなんでそんなものを作ろうとしたんですか…?」「地球冷却装置は元々、飛行機やロケットに使用するために作ったものなんだ、それを国防の為に兵器としてや緊急時の時の為にも活用出来るようにしたんだ…」「それが国を脅かす物になろうとしてるんですね…?」「そういうことだ…設計図は今、私の手元にある…君にこれを託したい、世界を救って欲しい……」彼は考えた、とにかく考えた。自分にやれるのかと…そして、彼は答えを出した。「分かりました…任せて下さい…ただ、自分一人だけの力ではどうにか出来ることではありません…力を貸してくれますか…?」「もちろんだよ…一緒に世界を救おうじゃないか…!」「ありがとうございます!」彼はようやく大きな一歩を踏み出したのだ。彼は多野本さんを家に泊め、これからに備え、睡眠をとったのだ。



ーー世界が終わるまであと63日と5時間

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