幸せのクローマ

小桜あゐ

幸せのクローマ



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登場人物


美佳(みか)

愛莉(あいり)

葉月(はづき)

新島夕玖(にいじまゆうく)

矢野臣(やのおみ)




ここから台本


୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧



  愛莉、美佳、葉月は愛莉の家でお菓子を頬張りながら女子トークに花を咲かせている。


  美佳は愛莉の家の漫画の本を読んでいる。

  愛莉はテーブルに鏡、メイク道具を広げ胡座をかきながらメイクをしている。

  葉月は愛莉のベッドにうつ伏せになり乙女ゲーム中。



葉月「ねー、美佳それ面白い?」


美佳「んー?」


葉月「愛莉の家にある漫画、癖強くて読めなくない?」


美佳「うーん…。」


愛莉「ちょっと葉月ベッドでお菓子食べるのやめてー。」


葉月「ん?あーごめんごめん〜愛莉の家だとつい自分家みたいにくつろいじゃう(笑って)てかなんで愛莉はメイクしてんの」


愛莉「だーからぁ、これからブログアップしなきゃいけないからぁ…てかね!愛莉はそーゆういい子いい子してくれる人が好きなんですーっよしよしーわしゃわしゃーっ可愛いねーって!」


葉月「でも偉そうに上から来るやつは嫌いなんでしょ?」


愛莉「そうそう、頭良すぎるやつ嫌い(笑いながら)」


葉月「はははっ、そんな人いる?」


愛莉「意外といるんだってえー!そうゆう葉月も理想高くない!?乙女ゲームのキャラみたいな男いないでしょー!」


葉月「えー?あたしは新島夕玖がいれば十分だもん。」


愛莉「へぇ〜?『chroma』?」


葉月「そうそう!あ、ねね、昨日の「Vステ(※ボイスステーションの略)」見た!?」


愛莉「んんーっ!!(ジュース飲みつつ)見た見た!『chroma』のみんなかっこよかったね!!!歌上手くなった!?って感じで!」


葉月「ホントホント!美佳は!?」


美佳「えっ…うーん、見た…けど…」


愛莉「夕玖でてたじゃん!」


美佳「あっ…いやまぁ…。かっこいいけど…。」


葉月「ねー、美佳のそうゆう浮いた話って聞いたことないんだけどさ、地味に気になるんだけど」


愛莉「わかる、めっちゃ気になる!」


美佳「えっ!?」


葉月「美佳さ、顔かわいいんだからもっとガッツけばいいんだよ!」


美佳「ガッツ…????」


愛莉「そーだよ!!ねえ、妄想とかしないの?好きな人とかさ、アイドルとかでもいいんだよ!」


葉月「愛莉は妄想してそうだよね」


愛莉「えっ!?・・・ん~まあ、ちょっと?でもしなーい?葉月もするしょ?」


葉月「まあするけど」


美佳「するのか」


葉月「あたしの場合は!夕玖で妄想する。」


愛莉「だと思った。え、気になる。」


葉月「えー???なんか教えるの恥ずかしい。」


愛莉「いいじゃんいいじゃん。こうゆう話好きなんだけど!」


葉月「えー…例えばぁ…。」





美佳、夕玖が車の中で話をしている


美佳「どうして…わたしなんですか?」


夕玖「あ?あー…ほかの生徒じゃ話が合わな過ぎて。」


美佳「…?どういう意味ですか?」


夕玖「ガキ過ぎんだよな。」


美佳「ああ、そういうことですか」


夕玖「お前はほかのやつと違うから…」


美佳「え?」


夕玖「ほら、なんつーか、自分でいうのもなんだ、」


美佳「なんですか?」


夕玖「かっこいいだの、好きだのって…」


美佳「ふふ、先生人気ですもんね」


夕玖「それは先生として、だろ。本来の俺を知らないから言えるんだろ。」


美佳「でも知りたいって思ってる人たくさんいると思います。」


夕玖「……というと…?」


美佳「新島先生としての先生ではなく、その先、その先のまだ知らない顔が見たいって」


夕玖「…それは、お前もそう思ってるのか?」


美佳「え…」


夕玖「あ、いや、なんでもない」


美佳「………。」


夕玖「………。」


美佳「思ってるって言ったらどうしますか?」


夕玖「美佳…。」




愛莉「きゃああああああああ~!!!//////」


葉月「きゃああああああああ~!!!//////」


美佳「て…なんでわたしなの…」


葉月「ん~、かわいいしモデルになりやすそうだから…?」


愛莉「ふふ、わかる。最高じゃんそのシチュエーション!」


葉月「でしょ!!?先生と生徒の禁断の恋!!!!なはー!!!!/////」


愛莉「ひゃああああああああ!!!!」


美佳「も、盛り上がりすぎ…」


葉月「美佳のなんかないの!?夕玖かっこいいって言ってたじゃん!」


美佳「かっこいいけど…有名人がこんな身近にいて自分がそういうシチュエーションに遭遇するなんて思えないし…」


愛莉「あ、じゃあ、ねえ?矢野くんは?」


美佳「へっ!?」


愛莉「ほら、美佳の幼馴染なんでしょ?」


美佳「まあ、そうだけど・・・」


葉月「あ~!かっこいいよね矢野くん!!絶対美佳のこと好き!」


美佳「ん~…そうかなあ」


愛莉「なにかないわけ~?」


美佳「なにって?」


愛莉「例えば…」





矢野「ちょっと飲みすぎたなあ、美佳大丈夫か?」


美佳「うん、大丈夫」


矢野「みんなちょっと大人になっててうれしい反面寂しいというか…」


美佳「そうだね、」


矢野「今…彼氏とかいる?」


美佳「…いないけど。矢野君は?」


矢野「………いない。」


美佳「ふうん、そっか」


矢野「はあ~~~~~(安堵)」


美佳「なに?」


矢野「や、何となく。(笑って)なあ、これ、覚えてる?」


  矢野、ポケットからなにやら取り出す


美佳「栞…?」


矢野「ん~、よく見て」


美佳「四つ葉…?」


矢野「覚えてない?」


美佳「ん~…小さいころ遊んでた時に私が見つけた四つ葉矢野君が踏んじゃったのは覚えてる」


矢野「そうそう(笑って)そのあとなあ、必死に俺、四つ葉探したんだよ」


美佳「そうなの?」


矢野「うん、で、結局見つけられなくて、見つけた時には」


美佳「引っ越してしまってた…?」


矢野「そう、かっこつけたかった俺はできるだけ立派な、傷のついていないきれいな四つ葉を探そうとして、あまり人の通らない道を探してたんだけど…見つけられなくて。」


美佳「そうだったんだ」


矢野「で、お前のこと忘れられなかった少年臣くんは渡せなかった四つ葉を栞にしました」


美佳「………。」


矢野「いつかお前に渡そうと思ってな」


美佳「えっ…」


矢野「美佳、ずっと好きだった。こんなに時間がたってしまったけど俺のそばにいろよ」







葉月「きゃああああああああ~!!!//////」


愛莉「きゃああああああああ~!!!//////」


葉月「キュンキュンするうううう!!なにその乙女ゲーム展開!!!」


愛莉「でね、でね、そのあと矢野君はこういうの」





矢野「四つ葉ってなんでできるか知ってる?」


美佳「ううん、なんで?」


矢野「四つ葉って、三つ葉ができる過程で人に踏まれてできるんだ。」


美佳「え?」


矢野「芽が出てくるときに人に踏まれて、傷がついて、三つ葉自身がそれでも賢明に生きようとして再生しようとしてできる。だから四つ葉は人に踏まれやすい場所にしかできない。俺はお前がつらい時も傷ついた時も俺が一緒にいて一緒に強くなりたい。幸せにしたいと思ってる。」




葉月「ひゃああああああああ~!!!//////」


愛莉「ひゃああああああああ~!!!//////」


美佳「だからなんで私なの!それにあたし引っ越しなんかしたことないし!」


愛莉「それは妄想ですから!」


葉月「四つ葉のくだりなんでそんなこと知ってるの?」


愛莉「ふふーん。内緒♪」


美佳「……………。」


葉月「愛莉にしてはやるやん」


愛莉「でしょお~」


美佳「別に愛莉や葉月の妄想なんだから私じゃなくても…」


葉月「だってあたしらだったらぐいぐい行っちゃうから」


愛莉「待って、でも私…そんなぐいぐい…」


葉月「え、でもこの前…」


愛莉「み、美香携帯なってるよ」


美佳「え?」


愛莉「誰から?彼氏?」


美佳「い、いないよ彼氏なんて」


葉月「まさかの矢野くん~?」


美佳「いや~…………。」


葉月「どしたの?」


愛莉「はは~ん。矢野君だ。」


美佳「なっ…。」


葉月「ビンゴ?」


美佳「う…ん…。」


愛莉「え!!なんて!?」


美佳「今週の日曜日予定ある…?って」


葉月「え!!!デートの誘い!?」


愛莉「きゃーっ!!!やるじゃん美佳!!!」


美佳「そんな改まって言ってくることないから…ちがう…かも…?」


愛莉「え?今までは照れ臭かったんだよきっと!」


葉月「そうそう!デートしかないじゃん!!」


美佳「え…そうかなあ…」





  矢野、美佳、ファミレスで夕飯を済ませたのち、公園のベンチに座っている


矢野「どうだった?今日」


美佳「楽しかった、久々に。遊園地に、懐かしのファミレスに。」


矢野「よかった。」


美佳「でも突然どうしたの?珍しくない?」


矢野「うん、まあ、ちょっと。」


美佳「話したくないならいいけど、」


矢野「そういうわけじゃないけど…」


美佳「……ふうん……」


矢野「…………」


美佳「…………」


矢野「ちょっと、飲み物買ってくる。」


美佳「あ…うん」



 矢野去る



美佳「はあ…。今何時かな。……7時半…か。そろそろ帰んなきゃかな…。ん…あの人達、何してんだろ。え…キスした…それも首に…?って、女の人倒れたけど…大丈夫なのかなっ、矢野くん、矢野くんどこ…」


夕玖「っはあ、ちゅ…う…っ、はあ、(血を吸っている)」


美佳「っ…なに、して…」


夕玖「………っはあ、ちゅう…う…(血を吸っている)」


美佳「!?」


夕玖「…??あ………。」


矢野「美佳。」


美佳「っや、矢野君…」


矢野「どした?何見てんだ?」


美佳「あ…あの人…って…あれ…?どこに…」


矢野「?なに言ってんだ…?」


美佳「う、ううん。気のせい…かな。…女の人もいない。」


矢野「何言ってんだ…?」


美佳「ううん、大丈夫」


矢野「そか。カフェラテとコーヒーどっちがいい?」


美佳「カフェラテ」


矢野「ん。」


美佳「ありがと」


矢野「相変わらず苦いのは苦手なのな」


美佳「(笑って)そうなんだよね」


矢野「最近遊んでなかったから聞いてなかったけど門限とか大丈夫?」


美佳「うん、まだ大丈夫。でもあんまり遅くなると怒られるかなあ」


矢野「そうだよな、まあ、最近物騒だしな。これ飲んだら帰るか」


美佳「うん、本当にありがとうね」


矢野「ううん、楽しかったから。あ、今日撮った写真送るわ」


美佳「うん。私も。」


矢野「意外ととったかも」


美佳「え!ちょっと、これ隠し撮りじゃん、いつの間に」


矢野「ぼけっとしてるから(笑って)」


美佳「や~やめてよ~」


矢野「ん?なんだこれ、LIMEニュースみた?」


美佳「あ~、chromaの?」


矢野「新島夕玖って美佳の好きなアイドルじゃなかった?」


美佳「うん、そうなんだけど。なんか療養?するって。」


矢野「どこか悪いの?」


美佳「ん~そこまでは。でもTmitterで書いてたのは、貧血って話だけど…」


矢野「入院?」


美佳「いや、自宅療養らしい。輸血に通うんだって」


矢野「ふうん、、」


美佳「はあ、おいしかった。ご馳走様」


矢野「ん。送ってくよ」


美佳「ありがと」




美佳「ここまでで大丈夫。」


矢野「え?いいよ、家まで送ってく。」


美佳「ううん、お母さんに見られてもなんかめんどくさいし」


矢野「まあ、、でも心配だしな」


美佳「大丈夫だよ、ここ曲がったらすぐだし」


矢野「それもそうか。最近行方不明者が多発してるって噂あって過剰になりすぎたかも」


美佳「心配してくれてありがとう」


矢野「ん。じゃあな。」


美佳「またね!」


女1「きいたー?また行方不明者が出たって」


女2「えーめっちゃこわいんだけどー」


矢野「……………。」


女1「知ってる?ほとんどの行方不明者って女なんでしょ?」


女2「聞いた聞いた。しかもこの辺り中心に狙われてるって。」


女1「ほんとこわいよねえ、一人で夜歩けないねえ」


女2「歩くときはあんた呼び出すわー」


女1「でた、すぐ~………」


矢野「……美佳!やっぱり一緒に…………。美佳…?」




美佳「…ん…んん、(目覚める)ここはどこ?どこかの廃墟…?」


夕玖「目覚めたか…」


美佳「いっ…手、、縛られてる…?っあなた…だれ…」


夕玖「……………。」


美佳「離して」


夕玖「……………。」


美佳「どうしてこんなこと…え…?」


夕玖「……………。」


美佳「さっき…の、、フードの、、」


夕玖「見たんだろ」


美佳「…殺したの?」


夕玖「いいや?」


美佳「でも、あの公園には女の人はいなかった、逃げたってこと?」


夕玖「……いいや。」


美佳「どういうこと…?」


夕玖「こういうこと…(美佳の首に唇を近づける)」


美佳「っ…!!!!いやっ!!!!!!(足で夕玖を蹴飛ばす)」


夕玖「っつ…(蹴飛ばされた反動でフードが脱げる)」


美佳「!?…フードが…あなた…」


夕玖「なかなかお転婆なお嬢さんじゃないか」


美佳「chromaの、新島…夕玖…」


夕玖「へえ?知ってるんだ」


美佳「………(やや目に涙を浮かべる)」


夕玖「ああ、そういうことか。そのカバンのストラップ。

   …ファンだったのね、ごめんな。」


美佳「なんで夕玖が…?」


夕玖「本当に覚えてない?」


美佳「なにを…」


夕玖「小さいころによく遊んだんだけどなあ」


美佳「……え」


夕玖「四つ葉のクローバー」


美佳「…?それは愛莉と葉月の妄想の…」


夕玖「本当に妄想だった?」


美佳「なにが言いたいの?」


夕玖「ゆう。」


美佳「ゆう?」


夕玖「新島ゆうって。名前。」


美佳「あ。」


夕玖「ひどいなあ、本当に忘れてしまっているなんて。学校、休んでること多かったし無理もないか。」


美佳「でも、名前」


夕玖「芸名。ゆうくん、って」


美佳「もしかして、そこからとったの…?」


夕玖「好きだったよ、ずっと。」


美佳「なっ、」


夕玖「アイドルの仕事に追われて正直疲れてた、そんなとき思い出すのは昔つらい時にいつも励ましてくれた美佳の笑顔だった」


美佳「ゆう…くん…」


夕玖「知ってるかな、俺、病気になっちゃったんだ」


美佳「詳しいことは書かれてなったけど、活動休止って」


夕玖「うん。もう直らない病気。」


美佳「そんな、」


夕玖「でもあることをしたら死ななくてすむんだ」


美佳「あることって…」


夕玖「俺が定期的に輸血をしに行っていたことは覚えてる?」


美佳「学校休んでいたのって」


夕玖「病院、通ってた。」


美佳「そうだったんだ」


夕玖「いつも顔色が悪くて、根暗で、太陽の光が苦手な俺は中学に上がってからはいつもいじめられていた。」


美佳「……。」


夕玖「でも美佳は優しくしてくれたよね」


美佳「…………それは………」


夕玖「僕は鮮明に覚えているよ。たまに気が向いて学校に出てきた僕を蹴って殴って痛めつけた。あいつらは悪魔のようなやつらだ。」


美佳「あのとき」


夕玖「そう、普段から貧血な僕がそんなに血を流したら動けなくなるに決まってるよ。」


美佳「うん…」


夕玖「体育館倉庫で泣いていた僕を、美佳はずっとそばで慰めてくれて、保健室まで運んでくれた」


美佳「……それは、矢野くんの力を借りて」


夕玖「でも、その矢野君を呼んでくれたのは他でもない、君だろ」


美佳「……。」


夕玖「その時さ、美佳は、四つ葉のクローバーがどうやってできるか知ってるか聞いていたんだ。」


美佳「人に踏まれても賢明に生きようとした姿が四つ葉」


夕玖「だから、君は弱くない。強くなれるよって。」


美佳「…………。」


夕玖「僕はそんな君に恋をした。」


美佳「でも私は」


夕玖「矢野のことが好きなのか」


美佳「…………」


夕玖「俺は、君がいないと死んでしまうんだ」


美佳「……え」


夕玖「今から見せるものは、君を怖がらせるかもしれない、拒絶するかもしれない」


美佳「…っ、マスクがとれ…………。え…」


夕玖「………これが、本当の僕」


美佳「……牙、、それに目も赤い…」


夕玖「耳も、とがってるだろ?……僕は、人間ではない。」


美佳「そんな」


夕玖「小さいころよく輸血していたのも、太陽が苦手なのもこれが原因。」


美佳「登校日がいつも曇りの日だったのって」


夕玖「曇りしか外に出られなかったんだ」


美佳「…………。」


夕玖「僕は君の血が欲しい(美佳に近づく)」


美佳「っ………」


夕玖「……(首筋をなめる)」


美佳「や…」


夕玖「ちゅっ…ちゅ…ごめ…(キス)」


美佳「んっ…やめ…!だめ………」


夕玖「好きなんだ、、美佳」


矢野「美佳!!!!!!!」


夕玖「!!!!!」


矢野「おい…離れろよ。」


美佳「や…の…くん…」


夕玖「矢野」


矢野「美佳から離れろって言ってんだろ!!!!!!」


夕玖「なっ!?(一気に夕玖に駆け寄り体当たりされ、飛ばされる)」


矢野「っ…はあ、はあ、」


美佳「矢野君!!!」


矢野「おい、お前が行方不明事件の犯人だったなんてな」


夕玖「………ああ。さすがクラスの暴れん坊将軍。勇敢だな。この姿を見ても驚かないなんて。」


矢野「ここから立ち去れ」


夕玖「やだ、と言ったら?」


矢野「力づくでもここから出て行ってもらう」


夕玖「美佳…」


美佳「…………っ」


夕玖「矢野、俺は、もう昔の弱い"ゆう"じゃない。」


矢野「わかってる、人間じゃないことも。でも、俺はここに居る好きなやつを守りたいんだよ!!!!」


夕玖「っ…ああああああああああ!!!!」


矢野「っ!!!っく!!(殴られる)」


夕玖「本当は、助けてくれたお前を殴りたくなんかない」


矢野「俺もお前と戦いたいわけじゃないけど!!!でもお前が引き下がらないなら俺も引き下がるわけにいかない!!!!(殴る)」


夕玖「っ!!!(避ける)」


矢野「くっ…がっ!!!」


夕玖「っ!!いってえ…!!!」


美佳「やめて…」


矢野「手加減してんじゃねえよ、人間じゃないならもっと力出るはずだろ」


夕玖「生憎、体内の血が足りてないんでね。本調子じゃないんだ…」


矢野「へえ、じゃあ、、遠慮なく!!!!!(殴る)」


夕玖「っと(避ける)、あぶねえ、、とっとと引き下がれよ!!!(殴る)」


美佳「……やめて…!」


矢野「お前がどのくらい美佳のことを好きなのか知らねえが、俺の美佳への気持ちは負ける気がしない!!(殴る)」


夕玖「っあぁ"…。っくぅ…、俺の気持ちは俺だけのものだ、お前にわかるわけないだろ。わかって、、たまるかよ!!!!(殴る)」


矢野「っっつ…まだまだ…!!!!」


夕玖「俺は」


矢野「美佳が」


夕玖、矢野「好きだ!!!!!!!!」


美佳「二人ともやめて!!!!!!!」


矢野「…!」


夕玖「美佳…」


美佳「私は二人のものじゃない!!!!」


矢野「…………」


夕玖「…………」


美佳「二人の気持ちはうれしいけど、私の気持ちは私のものだし二人が自分の気持ちを押し付けて戦って傷つけてって…そんなの間違ってるよ!!!!夕玖、ゆうくんは、私の血があればまだ生きられるの?」


夕玖「……好きな人の血があれば俺たちヴァンパイアは死にかけた命も生き返らせることが出来る。でも、その代償は血を吸った相手をヴァンパイアにしてしまう。」


美佳「ゆうくんの顔色とさっきの喧嘩みてれば貧血も進行しているんだなってわかるよ。」


夕玖「美佳…」


美佳「そんなに私の血が欲しいならあげる」


矢野「美佳!?」


美佳「でも!!!!」


夕玖「!」


美佳「ゆうくんの気持ちには答えられない」


夕玖「…っ。」


美佳「矢野、、臣くん」


矢野「…………」


美佳「助けに来てくれてありがとう。うれしかった。」


夕玖「…………」


美佳「臣くんの気持ちも気づいてた。でも、わたしまだわからないの」


矢野「……美佳」


美佳「二人がこんなに私を好きだったって知って混乱してる。」


夕玖「ごめん」


矢野「悪かった」


美佳「3人、仲良くしてたじゃん。なんでこんなことになるの。」


矢野「……………」


夕玖「……………」


美佳「私は……私は矢野君とゆう君に付き合ってほしいのに!!!!」




愛莉「ええええええええええええええ!!!!!!???」


葉月「ええええええええええええええ!!!!!!???」


愛莉「え…いやいやいやいやいやまてまてまてまて」


葉月「まさかのBL!!???」


美佳「だあって…よくない…?」


愛莉「いや…私はてっきり矢野くんに行くのかと…」


葉月「私はゆう君の命を助けてる間に好きになってしまうENDを期待していたのに…!!!」


美佳「ん~…。」


愛莉「ま、まあ、いいや。で、矢野くんからはなんて…?」


美佳「ああ、えーと…『誕生日おめでとう』」

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幸せのクローマ 小桜あゐ @kozakura_ai

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