🎈障害、動物、そしてバルーン🎈

 初めて参加したボランティアフェアでバルーンアートを作っていたGhost。

 子供も、大人も、健常者も障害者も、みんな風船に喜んでくれたようで、意気揚々とバルーンを捻っていた時の事です。

 一人の視覚障害の女性が介助の方を連れてやってきました。介助の方はバルーンに気づいて、視覚障害の女性に話しかけました。


介助の人

「あ、バルーンアートがあるよ」


視覚障害の女性

「え? 風船。怖い! 怖い!」


介助の人

「えー、すごくかわいいよ。少し触ってみる?」


視覚障害の女性

「無理、無理、怖い怖い!」


 そう言って、速足で去っていく視覚障害の女性。少し申し訳なさそうにお辞儀していく介助の方を見ながら、僕は当たり前すぎる事を忘れていたことに気づきました。


『そりゃ、目の見えない人にとって、いつ割れるかわからない風船とか怖いに決まってるわ!』


 いわゆる健常者と呼ばれる人達でも『風船は割れるのが苦手』という方は意外と多いです。それが視覚障害を持っている人だったら、どれだけ怖いか……そう思うと中々考えさせられる出来事でした。




🎈動物とバルーン🎈


 最近テレビなどでも紹介されている障害に関わらず楽しめるスポーツ『ボッチャ』。カーリングに似た頭脳戦が魅力の競技です。パラリンピックの公式競技にもなってますね。


 ボランティアフェアの会場には、このボッチャを楽しめるスペースがありました。

 ボールを投げる競技なので多少音が出るのですが、どうやらが盲導犬、介助犬にとってストレスらしい。なので会場ではボッチャのブースと、介助犬のブースは離れた所に配置していました。

 ……という話を聞いて僕は思います。


 バルーンも突然割れる時があるから、犬の近くで作っちゃダメじゃん!




🎈バルーンの課題🎈


 さて、以上の事からバルーンの欠点について知る事が出来ました。視覚障害のある方と、動物にとってはすごく怖い物になってしまうので注意をしなければいけません。


 ここで少しバルーンの問題点のお話し。実はバルーンには他にも課題があるのです。


・紫外線に弱い🌞

 天然ゴム製のバルーンは太陽光にめちゃくちゃ弱いです。真夏の日差しの下では二時間も持たずに割れてしまいます🎈


・湿度に弱い☔

 湿度の高い雨の日などはバルーン同士が癒着し、割れやすくなってしまいます。なので保管する際などはベビーパウダーを振りかけるなどしてバルーンのコンディションを整えます🎈


・静電気(乾燥)に弱い⚡

 冬は冬で乾燥して静電気が発生しやすいので割れやすくなっています🎈


・気を付けても割れる時は割れる💀

 最高のコンディション、最高のパフォーマンスをしても割れる時は割れます🎈

 けれど上手く作れたバルーンは一週間~二週間くらい持つのよ🎈


 さて、主に以上の理由で割れてしまうバルーン。お客さんを怖がらせてしまっては元も子もないのですが、技術を磨いて割れる確率を減らすくらいしか解決策が見つからないのが現状です。悔しいのぅ🎈




 少し前にボランティアフェアとは別件で、ボランティアセンターの職員さんから老人ホームにてバルーンアートを作れないかと頼まれた事がありました。相手側から依頼は珍しかったので非常に嬉しくて、快く引き受けたかったのですが少しだけ心配な要素がありました。

 それはズバリ!🎈


《風船の割れる音にびっくりして、心臓の弱いお年寄りがショック死したりしないかな?🎈》


 昔、プロレスがテレビ中継していた頃、「噛みつき魔」と呼ばれた悪役プロレスラー、フレッド・ブラッシーという人がいました。彼の噛みつき大流血が全国に放映された時、それを見ていたお年寄り十一人ががショック死する、という出来事があったそうな。

 まぁ、医学的にショック死と証明されたわけではないらしいのですが、とにかく心臓の弱いお年寄りを悪戯にびっくりさせるのは危険! 危険が危ない!

※ちなみに僕が調べた限り、風船の割れた音にびっくりしてショック死した、という事例はありませんでした🎈


 というわけで、老人ホームの職員さんにその旨を伝え、安全の確認をして頂いていたのですが、そんなさなかコロナウイルスが流行し始めてしまいました。

 なので今の所バルーンの依頼は中断している状況です。ぐぬぬ🎈

 バルーンやブラッシーの噛みつきなんかよりも、コロナの方が凶悪じゃないか!!

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