前世からの、それぞれの記憶と想いが交錯していく中で

もし、あなたという存在が生まれてくる前に別の生を謳歌し、誰かに思慕を抱き、何らかの宿命を負っていたとしたら。
そんな転生者として、この現代へやって来たのなら、それはどのような人生になるのだろうか。

この物語はヒロイン「荒助みさぎ」と、その友人であり、前世の兄である「海堂咲」などをはじめとした数多くの転生者が、
前世より続く運命に立ち向かい、またそれぞれの想いと向き合うヒューマンドラマである。

運命はあまりに過酷であり、立ち向かうべき脅威は、その命を賭す必要がある。
その時は、一日、また一日と確実に近づく中での、
少年少女の揺れ動く心理描写は繊細で、それゆえに美しい。

願わくば、彼ら彼女らが今生において幸せを手に出来ることを願いながら、物語の結末を見守りたいと思う。

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