花びらの天秤

はらはら 落ちてくる 花びらを

天秤てんびんの片方へ 乗せて


傾く方を 見詰めてる


ゆらゆら揺れる 銀の皿には

色とりどりの 花びらたち


丸いのも 尖ったのも

柔らかいのも 硬いのも


降ってくる先から 乗せてみた


あっちへ ゆらゆら

こっちへ ぐらぐら


さぁ 進むべきはどちら?

早く教えて 頂戴ちょうだい



ようやく 決まりそうになったところで

また花びらが 降ってくる


私は それをつまんで乗せる

右へ 左へ


決着が 延びるだけだと

知りながら


それでも 私は やめられない

頭上を仰ぎ


降る花びらを 待ち望んでいる

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