「死」について

 今回は暗くて重い話になるので、無理だと思ったらすぐにブラウザバックをお願いします。


 私は自分の作品で「死」をあまり描きたくはありません。確かに、主人公が死にたいと思う表現はするのですが、傷を負いながらも懸命に生きる姿勢を描きたくて出したりはします。


 それというのはきっと、私の身近に「死」がずっとあったからだと思います。


 自分は呪われているのではないかと悩むほどに、私は色々な方の「死」を見てきました。


 子どもの頃に目の前で列車と車がぶつかり、車のフロントガラスが派手な音を立てながら割れ、血が飛び散る様を見たり、朝起きて仕事に行こうとして外に出た途端、黒い煙を吐きながら軽トラと共に燃えている人を目撃したり、初めて訪れた場所でご遺体を発見して第二発見者になったり、目の前で車がガードレールに突っ込んで行って車に突き刺さるところを目撃したり、他にも書ききれないくらいに忘れたくても忘れられない記憶がたくさんあります。


 時にはその記憶たちがフラッシュバックして眠れなくなることもあります。


 そして、私自身も余命宣告を受けたり、危篤状態になったこともありました。


 今は治療を受けて良くはなっていますが、人の命の儚さを知りました。


 そして、亡くなった方々を大切に思う方々の悲しみや痛みなどを知りました。


 言葉では言い表せない慟哭。それが忘れられません。


 以前は物語の中ではせめて「死」から離れたいと思っていました。ですが、やっぱり「死」は身近にあるのだと悟りました。


 それならば、「死」を通して伝えたいものがある、そんな深い物語を読みたいと思っています。


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