第17話 Twinkle comet《トゥウィンクル コメット》

素の詩 Something droppedー零れ落ちた何かー 作者 小鷹 りく

    第57話 snowdrop


 下記詩を受けて作った詩になています。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921997703/episodes/16816700426365683616




 寒い寒い、体が震える。

 寒い寒い、手がかじかむ。

 寒い寒い、足がすくむ。


 あたたかみの無いこの空気。

 雪原の様に静まり返って、色も無くただただ広がっているこの場所。

 小さく丸めているのに、得体えたいの知れぬ人形ひとがたに固め様とする。


 いびつなものにはおさまらない。

 切なさ深く、悲しみ深く深く、傷も深く深く深く。

 いつくしみは深く、恋しさも深く深く、愛情は深淵しんえんの様。

 どんな言葉も、並の気持ちも、軽くて届かない。


 吐いた息は白くふくらんで、ただよい空へ。

 黒いあまの原にきらめく星月夜ほしづきよ

 追憶ついおく彼方かなたから箒星ほうきぼしはやって来て、尾を引いて無邪気むじゃきにきらきらを振り掛ける。


 小雪の様に、無垢むくな光をはなちきらきら、どんなに深くてもきらきらと降りて行き、小さな可愛らしいお花に変わる。

 指先に赤みを与えて、震えを止めて、きっと足元を照らしくれる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る