華やぐも、心憂しも、いとゆゑゆゑし。～連詩 しののめの巻～

第4話 巫の少女と玉 （かんなぎのをとめとたま）

詩の題材　読者から、詩のお題を受け付ける事にしました。トリガーノート３

　　　　　発案者　海野ぴゅう

古代人(卑弥呼（ひみこ）的な)が付けてた様な装飾（そうしょく）品（蜻蛉玉（とんぼたま）、勾玉（まがたま））をイメージした詩

　今回、題材のイメージから、祝詞（のりと）の様にしたくて、古語（こご）古文を使う事にしました。

　古語古文

〔現代語訳〕

　の並びにしています。ご容赦（ようしゃ）お願い申し上げます。

　杜（もり）の奥、草原の中に天（あま）の御柱（みはしら）の如（ごと）き木坐（ま）す。

〔杜（もり）の奥、草原の真ん中に天（あま）の御柱（みはしら）の様な木がいらっしゃいます。〕

　月夜（つきよ）には杜（もり）にまじりて、巫（かんなぎ）の少女（をとめ）来たる。

〔月が出ている夜には森に入って、少女の巫女（みこ）さんがやって来る。〕

　八百万（やほよろづ）の神もろもろ咲（わら）ひ給（たま）へと、巫（かんなぎ）の少女（をとめ）は楽（あそ）ぶ。

〔八百万（やほよろづ）の神様達咲（わら）って下さいと、少女の巫女（みこ）さんは神楽（かぐら）をします。〕

　巫（かんなぎ）の少女（をとめ）、眞拆（まさき）を鬘（かづら）として、小竹葉（ささば）を手草（たぐさ）に結ひて回（めぐ）れば、筋玉（すじたま）、雁木玉（がんぎたま）、蜻蛉玉（とんぼたま）ひかめく。

〔少女の巫女（みこ）さん、眞拆（まさき）蔓（かづら）を髪飾（かみかざ）りにして、小笹（こざさ）の葉を束ねて手に持って回（まわ）ると、筋玉（すじたま）、雁木玉（がんぎたま）、蜻蛉玉（とんぼたま）がきらきらと光る。〕

　いと小さき玉は、巫（かんなぎ）の少女（をとめ）を祓（はら）ひ給（たま）ひ清（きよ）め給（たま）ひ守（まも）り給（たま）ふ。

〔とても小さい玉は、少女の巫女（みこ）さんをお祓（はら）いなさりお清（きよ）めなさりお守（まも）りなさる。〕

　巫（かんなぎ）の少女（をとめ）恐（かしこ）み恐（かしこ）み白（もう）さく。

〔少女の巫女（みこ）さん謹（つつし）んで申し上げます。〕

　荒（あ）ぶる人道速振（ちはやぶ）る人諌（いさ）め給（たま）へ諭（さと）し給（たま）へと恐（かしこ）み恐（かしこ）み白（もう）す。

〔乱暴（らんぼう）な人勇猛（ゆうもう）な人諌（いさ）めて下さい諭（さと）して下さいと恐（おそれ）れ畏（かしこ）み申し上げます。〕

　星月夜（ほしづきよ）に巫（かんなぎ）の少女（をとめ）、杜（もり）を掻（か）き別（わ）けて駆（か）け来たりき。

〔星だけの夜に少女の巫女（みこ）さん、杜（もり）を掻（か）き別（わ）て駆（か）けて来た。〕

　木の大前（おおまえ）を拝（おろが）み奉（まつ）りて泣きて伏（ふ）せき。

〔木の御前（おんまえ）を拝（おが）み差（さ）し上げて泣き伏した。〕

　御手（みて）には、星影（ほしかげ）映（うつ）せる青い勾玉（まがたま）、愛（いと）しと思ふ心を籠（こ）めて奉（たてまつ）る。

〔手には、星の光を映している青い勾玉（まがたま）、愛（いと）しいと思う心を閉じこめて差し上げます。〕

　巫（かんなぎ）の少女（をとめ）恐（かしこ）み恐（かしこ）み白（もう）さく。

〔少女の巫女（みこ）さん謹（つつし）んで申し上げます。〕

　日月（じつげつ） 重（かさ）なり合ふ宿（やど）らしむ形（かたち）と聞（き）きき。

〔太陽と月が重（かさ）なり合う宿（やど）りの形（かたち）と聞きました。〕

　もののけ祓（はら）ひ給（たま）ひて守（まも）り給（たま）ふと聞（き）きき。

〔もののけをお祓（はら）いになってお守り下さると聞きました。〕

　孔（あな）は祖（おや）と世人（よひと）繋（つな）ぎ給（たま）ふと聞（き）きき。

〔孔（あな）は祖先（そせん）とこの世の人をお繋（つな）ぎ下さると聞きました。〕

　あは留（とど）まりたれば、荒（あ）ぶる人道速振（ちはやぶ）る人治（おさ）めて、後（のち）の世（よ）はまほろばとせむ。

〔私は留（とど）まっているので、乱暴（らんぼう）な人勇猛（ゆうもう）な人を治めて、後の世は住みやすい所としましょう。〕

　千歳（ちとせ）後（のち）のあが背（せ）に、繋（つな）ぎ給（たま）ひて、授（さず）け給（たま）ひて、あを導（みちび）き給（たま）ふ事（こと）を八百万（やほよろづの）神等（たち）共（とも）に聞（き）こし食（め）せと白（もう）す。

〔とても長い年月の後（のち）の私の彼氏に、お繋（つな）ぎ下さって、お授け下さって、私をお導きて下さる事を八百万（やほよろづ）の神様もご一緒にお聞き入れ下さいと申し入れるので御座います。〕

　繰（く）り返（かえ）し見た夢。

　奇縁（きえん）があって、泥だらけ、傷だらけの青い勾玉（まがたま）を手にした。

　めぐり逢い、結（むす）ばれ、傍（そば）にいてくれる。

　でも、口癖（くちぐせ）は「別れる」

　時は心も色褪（いろあ）せさせるのか。

　将又（はたまた）ツンデレなのか。

　女の子の機微（きび）が解（わか）らないよ。

～～～～～～～～～～～～～～～参考　書籍～～～～～～～～～～～～～～～～

　鑑賞日本古典文学　第２巻　日本書紀・風土記　角川書店

　新潮日本古典集成　古事記　　　　　　　　　　新潮社版

　文法詳解　　　　　竹取物語精釈（全）　　　　加藤中道館

～～～～～～～～～～～～～～～参考　文章～～～～～～～～～～～～～～～～

　祝詞（のりと）

　大祓詞　（おおはらえのことば）

　神棚拝詞（かみだなはいし）

　神社拝詞（じんじゃはいし）

　略拝詞　（りゃくはいし）

～～～～～～～～～～～～～～～補助ツール～～～～～～～～～～～～～～～～

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　古文自動翻訳研究センター　古文翻訳装置　Ver 3.1　

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　※臨機応変にご使用する事を念頭に置いて下さい。

　※単語や品詞毎にしたり、楽（あそ）ぶー＞遊ぶにしたり