華やぐも、心憂しも、いとゆゑゆゑし。~連詩 しののめの巻~

パパスリア

第1話 harmonic. (ハーモニック)

素の詩 Something dropped 作者 小鷹 りく

    第1話 琴線


 この詩を受けて作った詩になています。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921997703/episodes/1177354054921997978




お帰りなさい。君を優しくむかえる言葉。

姿は見えず、さわやかにほほを撫でて行き、雲を友として旅をする風よりも。

ゆらゆられるほのかな星の光を映し、らめく想いも映す、摩訶不思議まかふしぎ漆黒しっこくの鏡、夜の海よりも。

のびやかに琴線きんせんらす。


お帰りなさい。君を暖かくつつみ込む言葉。

西の太陽が、隠れ様とする時、何を恥じらうのか朱色しゅいろに染まる雲よりも。

それに当てられて、肌を紅色べにいろに染める山よりも。

ほっこりと琴線きんせんらす。


お帰りなさい。君がもたらす喜びの言葉。

雲も山も熱からめて、愛の喜びを解き放つ、妖艶な夜よりも。

虫達が、草の葉をすり、夜更けに囁く恋の唄よりも。

すずやかに琴線きんせんらす。


お帰りなさい。君がくれる微笑ほほえみの言葉。

雲がしずくで地をらし、空も湿しめらせ、陽の光がつくる色鮮やかなアーチよりも。

雲のまぶたを開き、大きな瞳が爛爛らんらんと下界を覗く月よりも。

かろやかに琴線きんせんらす。


君は悪戯っ子みたいに、そぉ~っと歩み寄り、肩を叩いた。

振り向く頬に指が沈み込む。

にこやかに琴線きんせんらす。


ほら、君の周りの全てが、いくつもの響きが、重なり合って親しみをかなでている。

harmonic.


赴くままに内なるうたを。


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