知り合い

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と子犬が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?


カランコロン。

「いらっしゃいませ!」

「えっと、2人なんですけど……」

「大丈夫ですよ!こちらの席へどうぞ」


私は、少しおどおどしているお客様を席へと案内した。


「ご注文はどうなさいますか?」

「えっと、人間でも食べられるものを……」


あっ。この方一般の方なんだ。

しかし、どうやってこの店の事を知ったのだろうか。

一般の常連さんは、多くは無いけれどいる。

それは、身内に魔女がいたり、エルフがいたりする一般の方。

けれど、このお客様から魔女やエルフの匂いはしない。


カランコロン。

「ごめん!お待たせ!」

「姉さん、遅いよ」

「道が混んでてね!」

「?!」


何故この一般の方がお店の事を知り、訪れる事が出来たのか、私は理解した。

彼女が現れたことによって。


「あ、サテラじゃん!おひさ!」

「シウネ!なんでここに?」


彼女は、元魔女のシウネ。2年前に魔女を辞め、人間へと転生したのだ。

どうりで匂いがしない訳だ。


「なんでって、サテラの店に来てみたかったからよ!」

「そ、それはありがとう」

私は素直に喜んだ。

「って、その人は?」

「こいつは私の弟!」


魔女の血は、遺伝はするけれど女のみに遺伝する。

すなわち、男に生まれた場合は普通の人間となるのだ。


「何にする?」

「サテラのお任せを2つ!」

「了解!」


私は、少しご機嫌でキッチンへと入った。


さて、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?

本日のお客様はシウネと弟さん。そして、次回もこの2人とのお話。

シウネの秘密を聞き出しちゃう!

それでは、いい夢を🌙

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