第45話

「ナンミ、アンナとカミルに厨房の設備を教えておいてくれるかしら?」


弟子ということで?教えている時は呼び捨てで!と言うアンナさんにカミル君も同調したので頑張って呼び捨てで呼ぶようにしているんだけれども、元々日本でもお友達を呼び捨てにしたりするのは苦手でどうしてもなれないわね。


「はーい!アンナ、カミルこっち来て!」

ナンミはちょっとだけ先輩ということで張り切っているわね。

さてと、さっそくクッキー作りから始めましょうか。

朝食の時は私がぱぱっと作っちゃったから今日は3人ともお手伝いしかしないし教えて欲しくてうずうずしてるのは見てわかるしね。

以前モノの単位を統一するために唯一、金の重さを計るための計量器があるという事でそれを基準にタスマニアさんに頼んで料理用の計量器を作ってもらったのでそれの予備をココにも置いてあるから用意をして材料も人揃え出しておく。

トッピングはシンプルにナッツと紅茶とプレーンなら簡単に出来るからそれだけあれば充分だわ。


クッキーの準備も終わりランチの下ごしらえをしていると、

「ユーコさん、案内終わりました。」

ナンミたちがもどってきた。


「ありがとうナンミ、それじゃあ手を洗ったらこっちに来てくれるかしら。」

下ごしらえをキリのいいところで中断し、クッキーを作るために使う作業台の前にいく。


「じゃぁまずはクッキーから作ってみましょう。カミル君もせっかくだから簡単なお菓子はしばらく一緒に作りましょうね。」

元々カミル君は料理人として働きたいと言っていたのでお菓子作りより日々の食事の方を覚えたいとは思うけれどもお菓子も少しは作れた方がいいと思うので簡単なものはしばらく一緒に教えていこうと思ったのよ。


「良いんですか!ありがとうございます。」

まだまだ子供だからなのかお菓子が嬉しいのね。

「ええ、興味が有るなら参加出来る時は一緒に作りましょう。」

「はい。」

「もちろんナンミとアンナも食事の手伝いはお願いするわね。」

「もちろんです。」

「ユーコ、、さんの料理も覚えられるななんて最高だね。」

アンナもまだ前のように呼んでしまいそうになっているわね。このへんはお互いおいおい慣れていくと思うので聞かなかったことにしましょう。



「じゃぁさっそくクッキーを作ります。ココにある計量器を使って…」


まずは器具の使い方の説明からしないといけないのとレシピとして残すと盗まれてしまうそうなので気をつけないといけないそう。

計量器自体はタスマニアさんの商会で細々と売り出して居るようなので盗まれても意味は無いので安心ね。

多少のミスはあったりしたけれども無事に天板に乗せれることが出来たわ。


「この、型抜きってオモシロかった!」

3人ともクッキーの型抜きにハマったみたいね。

ちなみに以前レガシィさんに何種類か型を作ってもらっていたのがあるのでそれを使ったの。

花型、星型、丸型の3種類で形も複雑な物は難しくて出来なかったのはちょっと残念だったわ。


「さあ、コレをオーブンに入れたらランチの準備を始めましょうね。」

さっきランチの下ごしらえはほとんど終わっているから後は火を入れるだけで出来るし、その頃にはクッキーが焼けている頃でちょうどいいわね。


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