第41話

「それでね!」

今は咲百合とお庭でピクニック中で一生懸命公爵家で学んだ事や公爵様のお子様たちとこんな事があったの、と色々話してくれ楽しそうにしている姿をまったりしながら聞いているの。


春の陽気が気持ちよくここ数日はほぼ毎日こうやってピクニックをしている。

なにせ御屋敷の中に広いお庭があり気軽にピクニックが出来るという環境に慣れつつある自分にもちょっとびっくりね。

1年ちょっと前は生きている事を絶望しつつ咲百合から離れられないけれどもこのまま一緒に居ると生きていけないという所だったのが本当に嘘みたいに穏やかな生活を送らせてもらっているのだから人生何があるか分からないわね。


「ユーコ様、旦那様がお呼びでございます。」

木陰で咲百合がふわたんを抱きしめてお昼寝をしている姿に癒されつつ横で本を読んでいると執事のサバンさんが声をかけてくれる。

サバンさんは以前空間拡張の実験を手伝ってくれたルッカ様の乳兄弟の方でこの屋敷に移った時にルッカ様の筆頭執事になったらしいのだけれどもまだその辺の仕組みがよく分からないのだけれど簡単に言うと使用人のトップみたい?

「あら、どうしましょう。サーユが今寝たばかり出おいていくのは出来ないわ。」

お屋敷に貰っている私室のベッドでお昼寝なら少しなら見ていてもらうと気もあるのだけれどもココで置いていくのはちょっと困ると思っていたら。

「ではその旨お伝えして起きますので、サーユ様がお目覚めになりましたら言付けください。」

サバンさんありがとうございます。仕事のできる人は素敵です。

「よろしくお願いします。」


さっき後で伺うと伝えてもらったハズなのに…なぜルッカ様がこちらに向かってきているのかしら…


「やぁユーコ、親子水入らずの時間にすまないね。」

しかも後ろにはタスマニアさんとアンナさん!?

「ユーコ!!久しぶり」

「こら、アンナ!ジョバンニ伯爵の前だぞ!」

「はは、彼女もユーコの料理のトリコのだろ?ならば仲間だ!」

相変わらずルッカ様は優しいと言うのか懐が深い、貴族としての役割は大切だが平民を見下す必要は無い、彼らが居るから我々が居るのに分からない貴族がいるのは困りものだと前にこぼしていたくらいON/OFFを分けて使われていると思うのよね。


「ふふ、アンナさんも相変わらず元気そうでよかったわ。」

「うん、ユーコのご飯食べれなかったから少し痩せちゃったけどね。」

確かに少しほっそりした気もするケド、最初にあった頃くらいなような…

そうなのよね、アンナさんは特に甘いものに目がなくてよく食べに来てたから最後に会った時にはちょっとムチッとしてたのは心配だったのが元のスタイルにもどって良かったわ。

「ふふ、今日はタスマニアさんの護衛で来たの?時間があるなら何か作りますよ。」

タスマニアさんも時間があればルッカ様と一緒に食事をして帰るから多分アンナさんも食べれるわよね。


「ユーコ、その事なんだが話があって騒がしくしないからココで話をしてもいいかな?」

そう言えばルッカ様に呼ばれていたけれども後で行きますと伝言してもらってたのよね。


「ええ、そちらにあるガゼボでお話をしてもいいでしょうか?」一応見える範囲にガゼボがあるので移動して侍女さん達が急いで整えてくれお茶が出てくる。


「それでお話とは?」



その後は以前ナンミのパティシエ育成計画?として誰かほかにも同時に弟子?をという話をさっそくタスマニアさんにしていてくれたらしく連れてきてくれたのがアンナさんだったみたいなの。


ちなみにアンナさんはパーティーを組んでいた2人が結婚が決まって冒険者を引退する事になり自分も引退するか誰か別の人と組むか悩んでいる時にたまたまタスマニアさんの護衛依頼を受けてコチラに来ていてルッカ様に私の料理が好きなんですよと紹介された時にパティシエにならない?と勧誘したそうなの。

アンナさんにとっても転職を考えていたしなにより私の料理特に甘い物に目がないという事で即決だったそうよ。


「でもアンナさん本当に冒険者を辞めてしまっても良いの?」

「もちろん!ユーコが作るスイーツを教えて貰えるなんてサイコーだよ!」

とってもいい笑顔でなんの後悔もなさそうです。


「それならばコレからよろしくね。」


テレビゲーム初期のゲームの

テッテレー

アンナが仲間になった!

そんなくだらない事を考えてしまったわ(笑)


私はそのゲームやった事ないのにね…


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