第40話

「そうですか、分かりました。もう何人かユーコの補助として誰か探しておくよ。それとさっきのナンミの話はユーコに任せるので好きに使って欲しい。」


夕食後、咲百合が寝たあとでまたゆっくり話をとルッカ様に誘われたのでおつまみを用意してワインを傾けながらは話をしていて早速ナンミのことを頼んだの。

あ、後今日の材料が手違いで捨てられた件も既に謝られていてナンミしていた嫌がらせなどのことも含め料理人は何人か解雇になるか下働きに降格のどちらかを選ばせることになたみたいなのだけれどもいいのかしら。

でも話を少し漏れ聞く限り公爵家のジャンさんとは違ってプライドの高そうな料理長さんみたいだしあまり近づきたいとは思えないので関わらないでいようと思うの。


ひとまずまだ厨房の悪習に染まっていない下働きや料理人さん達は様子を見るみたいなので料理を楽しくできる人が残ってくれたらいいわね。


それとパティシエ育成計画はOKを貰えたのでちょっと楽しみだったりするの。

この事をタスマニアさんが知ったら是非とも弟子をとかなりそうね…


「ルッカ様、ナンミと一緒にお菓子作り専門に覚える人もタスマニアさんにも声をかけても良いですか?」

よくよく考えたら職人仲間兼ライバル的な存在がいた方が成長するわよね。

ロン君とウィスター君も良いコンビだったし後から教える事になるくらいなら先にってなるの。


「タスマニアにですか?」

「ええ、ナンミ1人で教えるより誰か仲間とかライバルになる人がいた方が張合いがあるかなと、それに後からタスマニアさんが知ったら教えて欲しいと言われそうなので。」

「確かに彼なら言いそうですね。」

少し考えてからルッカ様は柔らかく微笑む。

最近キラキラスマイルじゃなくてこちらの笑い方をよく見るしとっても居心地いいのはなんでか深く考えないようにしてるの。


その後少し他愛のない話をして寝室に戻る。


寝る前の日課は宿の仕事以外ほ今も続けていて今夜もサンクート様に感謝をする。



『由布子、こんばんは』

最近では時々サンクート様から声をかけてもらえることもあったりするの。


「こんばんはサンクート様」

『なにやらまた新しい事を考えてくれているようですね、ありがとうございます。ですが、無理はしないでください。貴女が幸せに暮らしていてその上で少し発展の手伝いをしてくれればいいのです。』

こうやって私のことも気にかけてくれる人?が居ることがとっても嬉しい。

「ありがとうございます。でもやりたい事をのんびりやっているので大丈夫ですよ。」

『ならばいいが、アノいけ好かない男が君に無理をさせるようならいつでも私がおしおきをしてあげるから。』

ちょっとサンクート様、物騒なこと言わないでください、それとルッカ様の事いけ好かないって…

確かに最初はキラキラスマイルがあまり好きになれなかったけれども今は素敵な…って私ったら何を考えてるのかしら!


『由布子、何か困ったことがあれば我慢せず相談するんだよ。』

「はい、いつもありがとうございます。」

最近ちょっと思うことがあるの、サンクート様って結構過保護なのかしら。


『じゃあそろそろ寝なさい、おやすみ』

「はい、おやすみなさい。」


さすが神様ね、こうやって話していると心が穏やかな気分になれるわ。

私の近くに素敵な方が居るのに子持ちだし、日本でこんな素敵な人が居ればまた私の人生違ったのかしらと思ってしまうが、咲百合に会えたことには後悔はしていないのでないものねだりね、まぁ神様を素敵な男性と評価するのも失礼な事ね。


なんだか今日は穏やかな気持ちになったはずなのに何故かなかなか寝付けなかったのだった。

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