敵影

「チェック」


剣先はお互いの喉仏の前だ。


その2つの顔はとても似ている。


家督争いだろうか。


「ふっ!貴様、中々やるようだな。認めてやる!」


互いに剣を引く。


武器はお互い刺突剣レイピアだ。


高速で技を繰り出す。しかし全て敵の剣先に迎撃され、阻まれる。


まさに紙一重の攻防戦。二人の実力は拮抗していた。


すると次の瞬間、敵影に放射状の亀裂が入った。


「まさか魔法かっ!?」


彼は咄嗟に目をつむってしまった。


「居ない…だと…」


もうそこに敵影は無かった。

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