おまけ

リアリティを増すためにちょっとだけおまけです。

ランサムウェアというのはファイルを暗号化して、復号キーが欲しけりゃ金をよこせ、という仕組みです。最近では二重恐喝型ランサムウェアが流行しています。支払わなかったら、ファイルをネットにさらしたり、オークションにかけて売ったりします。

オークションでは数億円はよく見ますし、高いものは数十億円だったりします。

GandCrabというランサムウェアは200億円以上を稼いで、もう金は充分ということで店じまいしたほど儲かります。


しかもアフィリエイトの仕組みを用意しています。ツールキットを使ってランサムウェアを仕込むと、そこから入手した金がアフィリエイターにキックバックされる仕組みです。技術力がなくても、本文にあったように自分の会社にツールキットで準備したランサムウェアを仕込めば自動的にお金が入ります。うまくいけば数億円。

今後、内部犯行は増えると思います。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)によれば、2020年における情報セキュリティ脅威の第2位が内部不正です(情報セキュリティ 10 大脅威 2020 各脅威の解説資料、独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター、2020年4月、https://www.ipa.go.jp/files/000080869.pdf)。


すでにこれが現実におきていることなので、本文中の話も少しはリアリティあるかもです。

私たちは気づかないうちに、昔のSF小説の世界に生きているのです。


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絶望税の黙示録 一田和樹 @K_Ichida

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