第二十話「作戦会議」
「で、問題だが。彼女は回りを一瞬で掌握してしまう。みんなの心を文字通り掴むんだ。解除の仕方は、彼女自身に解いてもらう他ない」
珍しくみどりが小言を漏らす。
「あの子、ちょっと苦手なんだよねー」
「俺は……関わりたくない」
青ざめた顔で石墨が震える。
「……ん」
石墨がこちらを向いて不思議そうな顔をする
「…………章、なんで嬉しそうな顔してんだよ」
いままでだったら面倒事に巻き込まれて嫌な気持ちになるのが普通だった。けれど、今は何故か楽しい気持ちが勝っている。
「分からない。でも、前の学校生活に比べたら楽しいな、なんて思って」
「……うん、私も楽しいな」
「じゃあ、次の試合までに作戦会議だ」
「おー! 」
僕の中で魔法使いでよかったと思える瞬間がこの日やって来た。
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