第一話「入部届」

 放課後、僕は言われた通りの時間と集合場所に向かった。


「待たせたな。まさか学校だとは思わなかったか?俺が紹介したいのは、部活だ。そのために、先生に今から入部届けを出してもらう」


 この生徒は何を言っているのだ。部活は自由に選ぶものではないのか。

 そう思いながらも、石墨についていく。


あずま先生。言われたと通り、連れてきましたよ」


 職員室の扉を開け、夕日の入る部屋に足を踏み入れる。


「ご苦労さん、帰っていいぞ隼人」


「何いってるんですか、まったく人使いが荒いな。部活があるでしょうよ」


「今日は無しだ。明日にしろ、明日に」


石墨を追い払った、教師の容姿を見る。

長い髪に、白衣のような格好。体格はスラッとしている。普通の女性教師というよりは、モデルのようだ。


「すまない。今日呼んだのは私なんだ。ひとまず本題に入ろう。あいつから聞いたかもしれないが、部活についてだ。この学校では、基本的に部活は自由に入れる」


ここで疑問が生まれる。さっき石墨は入部届けを出すと言ったのだ。この時点でなんの紹介もなく、今日決めるのはおかしい。


「だが、だ。私が顧問を勤める部活に入ってもらう。」

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