オットが祈っていた話。

オット、もとい主人の話です。

元々、SNSで家族のことをつぶやいたときに

「夫とジュニアが~」

と書いたつもりが、

「オットとジュニアが~」

と変換を間違えたまま投稿したのが、そのままタイトルになっています。水族館の人気者とか某おかしみたいで可愛くないですかオット。


元々MGS等のゲームはプレイしたり、漫画を読んだりはしていたみたいなのですが、テキストタイプのゲームや、一つのアニメ関連作品にどっぷりと浸かったのは交際してからが初めてだそう。今でも時々

「ここ超狙撃しやすそう」

「○○(ゲーム)ならこれくらい、ひょっと登れるのに」

と、冗談なのか本気なのか分からない発言をします。高いところ苦手で、京都駅のエスカレーターが大の苦手のくせに。


そんなオット、今はほぼリモートワークなので家で仕事をしています。たまに用があって声をかけようと部屋に入ると、ヘッドセットをつけてふるふると首を振られることがあります。要するに、今は会議中だからあとにして、ということです。そんなときはおとなしく引き下がるようにしているのですが、以前そっと入室すると、こちらに気が付かなかったことがありました。はい、はい、と相槌をうっていたので、会議中か、と黙って出ていこうとしたのですが、ふと主人を見ると、デスクの下で手を合わせていました。何故そんな険しい顔して合掌……?と思い、あとでオットに聞いてみました。


「ただの会議の合間の雑談やってんけど、その人の言ってる意味が分からなくて。前から、『奥さんが出産?まぁ〇〇さん(オット)の仕事には関係ないよね』みたいなことを本気でしれっと言う人やってんけど。さっきはほんまにイラついてもて。リモートとはいえ落ち着かんと……って思ったから祈ってた」

「全然話が見えへんねんけど……イラついたからって何で合掌?何で祈んの?」

「あぁ、この人は前世人間やなかったんやな、人間一年生やねんなって思えば許せるやん?一年生やからしゃあないな、何とかこの人が今世で徳をつめますように、って祈ってた」


大仏様の県民ってみんなこうなんか!?と思ったのは呑み込めず、そのまま口にしてました。なんか仏教とかの考えでありそうな……オット、別に仏教徒でもなんでもないけど……。

自分のツボにクリティカルヒットしたのを覚えています。ツボに入って忘れられなくなったのか、その考えは私にも受け継がれ、仕事をしていてもちょっとやそっとではイライラしなくなりました。

怒りとか楽しいとかの感情はその一瞬のものですけど、イライラとかの気分っていうのは結構長く尾をひくものですよね。そのくせ仕事のパフォーマンスは落ちることもある。ならイライラしない方がもちろん良い。こんな小さなことでイライラしなくなるなら最高です。しかも別に目に見えない対策ですし。ちょっぴり生きやすくなりました。

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