『パンデミック』かしこまりこさん

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尾崎ゆうじフル読み書評 評価シート


【注】 こちらは、現在尾崎ゆうじのnoteで限定で受け付けているフル読み書評の『評価シートおよび添削動画』の内容になります。


 本来は非公開ですが、作者さんより「尾崎さんのお役に立てるならどんどん公開してください」と許可をいただいて公開するに至りました。 かしこまりこさん、ありがとうございます!


 ごく短い短編小説で、ホラー的な要素があります。慣れない作者さんが陥りがちな失敗もあって、かしこさん自身もそれを自覚していました。皆様の参考になれば幸いです。


↓作品のリンクはこちら。

(作者さんの作業タイミングによっては非公開になる場合もございます。ご了承ください)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054921051595


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☆このたびはフル読み書評をご依頼くださり、誠にありがとうございました!

 誠心誠意評価をさせていただきました。


1 作品タイトル『パンデミック』

作者名:かしこまりこさん


2 受注日:

 

 2020年 9月 27日


3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年 9月 29日 



4 各項目の評価・採点:


・全体的にぞっとして良いと思います。他国のお話+そのうえで共感できる共通の危機(コロナ)というテーマが、それを増長させていますね。良い。ただ物足りなさが残ります。



①[タイトルやあらすじなど……8pt/15pt]


 タイトルはわかりやすくて良いかなと思います。あらすじもまあ……3点くらい。内容が短いので、すべて書くと全バレみたいになるかもしれませんが、仮にまったく初見の訪問者がいた時に、ぐいっと掴めるかなあ…と疑問には思いました。


 ミミさんの属性というか、家族構成くらいはざくっと紹介してあげると、絵としてのイメージが湧くかもしれません。


 キャッチについては、この内容で作品のイメージがあまりできないというか、ぶっちゃけ駄目だと思います笑 


 いきなりですが、日本ではプレバトというテレビ番組がけっこう流行っていて、芸能人が絵など趣味の分野をプロに添削してもらい、それに順位付けをする、みたいな内容なんですが、それが今回のキャッチを見て思い起こされました。


 その番組では俳句部門もあるのですが、いかに短い言葉でその奥にある物語を想起、イメージさせるかという点が俳句の評価の重要なポイントらしいです。その並べる順番を変えるだけでも、そのイメージの強調される加減だとかが如実に変化するので驚きます。確かに、と。


 キャッチもそんな感じを意識してみると良いかなーと思います。仮に書籍を出版する場合は、その道のプロが関わると思いますが、万能ではないので、こちらも案を出していかに読者に届けるか相談できるようになるに越したことはないかなーと思います。


『みんなの様子がおかしいんです、最近……』とか、そんな感じにするだけでも違う気がしますね。なんか不穏じゃないですか。


 そういえば、日本は青森県においては、県内にコロナを持ってきてしまった70代会社経営者に対して投石がなされたという事例がございます笑 緊急事態宣言時に他県ナンバーの車が投石を受けたり、車体に傷をつけられたり……ということもあったそう。前時代的な県民性ですみません笑


 

②[掴み……14pt/15pt]


 テーマがテーマなだけに、掴むのはそう難しくないと思いました。メールの返信的な文面だとかも、ナニコレな感じで読みたい気持ちになりますね。



③[文章……14pt/15pt]


 すんなり読めたし、ミミさんの思っていることや、物事を語る順序なども違和感がない。リアルなメールでありつつ、物語上の必要事項をちゃんと含んでいる感じは〇。結構むずかしいですよね。


 なにより、ちゃんとゆきちゃんからのメールが返ってきていて、それに対して返信しているイメージが湧くあたりが素晴らしいです。きちんと成立しています。



④[ストーリー……5pt/15pt]


 物足りないです。私が読む限りではデリっくんのそれは物語展開の導入、という感じです。


 かしこさんがどうしたいかにもよりますが、もしかしたら現代ドラマとした方が、ハードルが下がるというか、読者の期待度が下がるかも。……ただ、それでいいのか? という話ですよね。もしその気があればチャレンジするのもアリだと思いますよ。



⑤[キャラクター……13pt/15pt]


 登場人物はほぼミミさんだけなので、ミミさんに対する評価と言っていいでしょう。良いと思います。なんか普通のメールなのに気持ち悪いところが良いです。


 後半の警察官の言葉の意味がいまいち回収されなかったり、普段のデリっくんの様子がさほど描写されないので、彼の人間性が想像しにくい部分はあるかも。デリっくんの温厚さを感じさせるエピソードがもう少し欲しいです。


⑥[期待度・引き付け……10pt/15pt]


 期待度もあるし引き付けてもいるのだけど……ジャンパーが踏切台の上で挨拶だけして帰ったような、そんな感じです。欲求不満が残りそう。



⑦[加点=オリジナリティ、本作特有の魅力など……8pt/10pt]


 上記で述べたことが総じてオリジナリティと魅力につながっています。メールによる物語進行とか、絵文字が平和な感じとか、その対照的なところがその不気味さを際立たせている感じがします。工夫は成功してますよ。



[おさらい]

・タイトルやあらすじなど……8pt

・掴み……14pt

・文章……14pt

・ストーリー……5pt

・キャラクター……13pt

・期待度・引き付け……10pt

・加点、本作特有の魅力など……8pt


●総合得点は──


(72)pt!


(総評)


 良い、けど悪い、というか。可もあり不可もある感じです。ストーリーがやっぱり物足りないですね。もっと広げられそうな気もするけど、怖気づいちゃったのではないかとさえ感じる物足りなさです。もったいない。


 じゃあどうするか、とか、そういった諸々とか動画で語っています。お時間があるときにどうぞ。


   

☆上記の内容を詳しく解説した動画は、以下のリンクから閲覧できます。

 (非公開動画です。このリンクを知っている者のみ閲覧できます)


 ↓動画のリンク(約25分)。  

 https://youtu.be/9M0TJkK4cHc

 

 長時間の動画になります。要点は上記、あるいは動画の画面上にまとめています。

 要所要所でスクリーンショットなど撮影することをおすすめします。



──────


 読者の皆様、いかがでしたでしょうか。


 かしこさんいわく、主人公がかしこさんの状況をモデルに作っているということらしく、それによってエンタメ作品として主人公が陥るべき苦難とか、ピンチとか、嫌な状況とか、精神的にそういった追い込みをかけづらくなってしまったようです。


 ほっこり系の作品なら別ですが、はじめのうちは主人公を追い込んだり葛藤させたりすることに躊躇する場合はけっこうあります。


 打ち破るのは簡単ではありませんが、書き続けていると徐々に抵抗がなくなってくると思います。


↓というわけで、作品リンクはこちらからです。(作者さんの作業タイミングによっては非公開になる場合もございます。ご了承ください)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921051595


 以上で今回のフル読みは終了です。


 皆さんのお役に立てたら幸いです。


 これからも創作楽しんでいきましょう!


創作コーチ

尾崎ゆうじ

(note) https://note.com/ozaki_yuji

(youtube) https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber 

 

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