第14話

「俺と付き合ってください。」………。なに言ってるんだ俺。もう付き合ってるだろ。なんであんなこと聞いたんだ??と自問自答を繰り返していると彼女は「やっと聞けた…!」と泣き出した。「なんのことなん」俺の質問をかき消す様に彼女は「行こ!」とテーブルにコーヒー代を置いて飛び出した。なんなんだ一体…俺も小銭をテーブルに置いて飛び出した。

 俺は1人で抱え込めるほど強い人間じゃない、頼っても良い。カッコ悪くても良いんだ。それでも好きだと言ってくれる人がいる、それだけで俺はどこまでも強くなれるし弱くなれる。それは俺にとっての強さで彼女、凛にとって弱い俺なのだ。だから俺はそんな俺を誇れる。いや、誇らせてくれる人がいるこの世界は理不尽だらけだけど優しくないとは思わない。俺は君に甘えすぎてるのかもな…。と希望に満ちた、ありがとう。そんな顔で俺は前を向き家に帰った。「ただいま。」……誰もいないのか??真っ暗のリビングに1人の大人が小さくなっていた。「母さん…部屋で休もう。それかせめて電気をつけよう。」母はなにも言わず部屋へと消えていった。母さんは親父が1番の支えだったんだ。でもこのままずっとなのか…?俺だけが前を向いても仕方がない。母さんにも立ち直ってもらわないと…。いや、もしかしたら…俺はこの時ひとつ考えが浮かんでいた。「今度試すか。」そう言って俺も部屋へ向かいベッドの腰掛ける。あ、しまった今日金曜日だ。明日デートにでも誘っておけば良かった…そう落ち込んでいると一通の無料アプリMINEから通知が来ていたことに気がついた。凛だ!俺は凛と美紀さん、そして家族のMINEしか持っておらず美紀さんは愚か家族とすら会話をする理由がない為、凛だとわかった。いやぁ友達少ないこともたまには役に立つんだねぇ。と凛のメッセージを見ると「明日、行きたいところがあるの。16時に海空駅の改札で待ってて」とだけ書いてあった。俺に予定あったらどうしてたのかしらあの子。いや悲しくなんかねぇし。待てよ、予定がないと確信してこのメール書いてんのか。てかなんで午後なんだ??夕方じゃねぇか。と疑問は多かったがその日は早々にベッドに向かい熟睡。その後俺は海空駅に向かった。

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