鳩の餌(140字小説)

塩塩塩

鳩の餌

「平和の象徴が鳩ならば、我々は喜んで鳩の餌になろうではありませんか」

去年の首相演説の一節だった。

年末には「鳩の餌音頭」も流行り、春には皆が鳩の餌である自分に誇りを感じていた。

先週、大鳩が飛んで来てお隣さんを食べて行った。

町内の皆は羨望の眼差しで、それを見た。

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