第3話

以前こんな本を読んだ。


2匹のネズミが毎日チーズを食べていたが、ある日チーズが無くなってしまった。

ネズミは困り果てたが、ずっとこの場所に留まっていてもチーズがやって来ることはないので、

自分達がチーズのある場所を探し求める。という話だった。


ような気がする。読んだのは2,3年前のことだ。3行分の内容しか覚えてない。


ただ、この本が読者に伝えたいと思われることは今でも覚えている。


「楽しみは、幸せは、自分の手で見つけるものだ」


これは私が学生から社会人へと変化してゆく中で、常に意識しておきたいと感じたことでもある。


この期間は職業だけでなく、自分が身を置く環境も大きく変化した。


しんどいと感じることが幾度となくあった。


それを乗り越える為に、私はこれまで自分を支えてくれた娯楽を大切にした。


それは、競馬だった。

それは、野球だった。

それは、音楽ゲームだった。


私は、変わりゆく環境の中で楽しいなと感じたことを新たな娯楽とした。


それは、情報系の授業だった。

それは、帰宅中に途中下車して立ち寄った飲食店だった。

それは、全国各地への出張だった。


この先の私の人生が後何年残されているのかはわからない。

しかし、その残りの人生に楽しみが無くては生きる意味がない。

少なくとも私は、楽しいことが無いのであれば生きる気にはならない。

しかし楽しいことがその辺に落ちているということは中々無い。


ならば、自分で探すしかないだろう。


今楽しみにしていることも、時代や環境の変化によっていつか失われるかもしれない。


ならば、新たな楽しみを見つけよう。


特に、環境が変化することは今まで知らなかったことを知る大きなチャンスである。


今まで訪れたことのない場所や、読んだことのない類の本がとても気に入るかもしれない。


だから様々なことに手を出してみよう。きっと様々な発見がある筈だ。


それが自分の心の支えになってくれる。


と、思う。




別の場所でこんな呟きをしたことがある。


「常に逃げ道を用意しておきたい」と。


これは楽しみを見つけることと同じ理由で言ったことだ。


即ち、常に心にゆとりを持っておきたいのである。


心が追い詰められた時に、そこから抜け出せるようにしておきたい。

もうひと踏ん張りする為の武器を装備しておきたい。


私はそう思った。


それがこの先の人生を乗り越える為の有効な術であると考えたのだ。



なので、今後輩には「楽しいことを見つけてください」と言っている。


そして、自分が面白い、楽しいと感じたことを発信するようにしている。


それが後輩にとって楽しいことかはわからない。なので参考程度で伝えている。



これは後輩だけでなく、多くの人に伝えたいことだ。


「チーズが無くなったら探しに行くべきだ。そうすれば人生に新たな変化があるかもしれない。」

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