Dear my Heart

藍坂イツキ

天から降ってきた。

  死んだ、死んだ、死んだ。


 人は今も死んでいる。


 ほら、また天から落ちてきた。


 ここの掃除も中々に辛いんだけど、まあ閻魔様のご命令だしやるべき仕事はやらないとね。



 僕は生きて、彼女は死んで、彼は生きて、そして誰かが地に振り落ちて、この地球は、いいやこの宇宙は限りない生と死を繰り返している。


 別に、特段変わったことを口にしているわけでもないのに、そんな話を聞けば誰もが顔を顰める。本当の本当に変わったことでもなければ、おかしなことでもないのに、それを話せば皆が怒り出す。



 不謹慎。



 世はそのような言葉があるらしい。


 おかしな話だ、ほら君の体内では赤血球が死んで生まれてを繰り返してるだろう? 僕だって一緒さ。



 それくらいの軽い話なんじゃないのか?



 まったく、人間という生き物はおかしな生き物だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Dear my Heart 藍坂イツキ @fanao44131406

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説