第6話 魂の活性化

「ピンポーン、これより天地創造の実況中継を始めます。

新天地に転生したい魂は 随時受付までおいでください」

神々の国に一斉放送が入った。


一方ミーティングルームでは、


バルーンボールに腰かけてびょんびょんしている女の子にアモンは声をかけた。


「新しい世界の基本コンセプトは?」

「それから君の呼び名が決まったほうが 僕としては話しかけやすいんだけど」


『じゃ とりあえず 仮に 「凛ちゃん」という呼び名はどうでしょうか?』

「自分の名前を仮に決めるの?」

『うん いろいろね、決まるまでは 私の名前も仮でいいよ』

 ということで とりあえず決まった名前は凛、それが私。

 名前わすれないようにしなくっちゃ。


『新しい世界。そこは緑豊か 戦争がない 人殺しもいない そういうのんびりとした世界!』


初めての場所は、天災のない桃仙郷とうせんきょう

  中心となる邸内ていないは、花と果実がふんだんにあり 四季はあっても寒暖の差の緩やかな気候。

  屋敷の周りには 各種族が理想とする環境の地が点在し、

  そこに住まう者達の需要を満たす農作物が実る地により繋がっている。


「その種族とは?」


桃源郷に居るのは 

 ナイアード 水の精 (一般的ななの 種類ごと 地域別

 ドリアード 木の精(種類ごとに)

 エント   木の世話人(男女とも)



桃源郷の周りの草原にいるのは


 花の精 (一般的な名のと 種類別)

 霊長類以外の生物



さらに遠くに  かなりあとになってから

ネプチューン(海の神)

ポセイドン(海の神)

山の神(地域別)  などなど ですね。


「しかし これでは たまりにたまった人の魂の転生先がないではないか」


「転生させるときに、魂の改変できます?」


「それはなしだ」


「じゃ いつまでたっても同じことの繰り返しでしょう。

 1度や2度死んだくらいでは 人の性根しょうねはかわりませんよ」


「では いったいどういう改変を考えているのだ?」


「制限をつけます。 むさぼらない 傷つけない えこひいきしない」

「つまりライオンに転生しても、草を食べるのが理想ですが、肉食をするときも自分の肉体を維持するのに必要な最小限しか獲物をつかまえない。

 草食動物も 自分達が食べている草が繁茂し続けるだけの量しか食べない、そういう自制が当たり前にできるようにする」


「面白い&可能だ しかしその場合 己の中で欲望と節制の相克そうこくが多発して早死にする者が多発するぞ。」


「いいじゃないですか それこそ輪廻転生して仏の道を目指して純粋エネルギーに帰っていく動きが加速することになる」


「いいだろう 転生する魂の制限はしかと引き受けた」アモンはきっぱりと言った。


「では 人間も種族に加えるのだな?」


「いいえ 人間の魂の転生先は 一般人は花の精と動物限定です」


「ではナイアードたちはどうする」


「上級精霊は 昔精霊だった者達に」


「その者達なら 世をはかなんでとっくに塵になってしまい残っておらん。

 ここにひしめいているのは 元人間の魂のみだ」


「じゃ  それぞれの木を育てたり あるいは木そのものになりたい人

 水たまりの水になりたい人 雨粒になりたい人を募集しましょう」


「募集することそのものは悪くない。応募者がいるとはおもわんが」







  

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