第9話 ルーレルト街 レイン消失後

グレン・ブルーグルは左手を前に突きだしながら魔術の詠唱を唱え始めた


「我に大気の恵みを、我の手元に与えたまえ《ウォーターボール》」


「ウォーターボールがどうした!俺にそんな魔術は効かないっ!」


グレン・ブルーグルは右手に集まるウォーターボールをロクトに向けて撃ち、ロクトは叫びながら拳で威力を殺し拡散させたが、その間にグレン・ブルーグルは次の詠唱を唱え始めていた


「我を護りし雷を、我の元に形をなし、雷の剣の刃になりたまえ《天空雷刀》」


詠唱を終えた瞬間空から雷がグレン・ブルーグルの手元に落ちてバチバチと雷音が響く雷の刀を右手に持ちロクトに向かい目にも見えぬ速さで向かって来ていた、ロクトは口元をニヤリとさせて腰に下げていた剣を鞘から抜き放ち、その瞬間グレン・ブルーグルと剣と雷の刀と打ち合いしていた、ゼレクは加勢しようと魔法を放とうと前に標準を合わせるように向けるが、手の目の前にグレン・ブルーグルの仲間のカナトが現れて剣を手首に向けて振り降ろそうとしていたがククトがレーザーのような黒い色の魔法を右手の人差し指からカナト向けて撃ち放ちカナトは剣を瞬時に剣を盾にして起動を反らした


「危ない、・・・はぁ・はぁ・・ハァァ」


カナトは冷や汗を流していた


「助かった、ククトありがとう」


「気にするなゼレク」


「囲め囲め!カナト様援護いたします」


グレン・ブルーグルと一緒に居た魔族の討伐対の剣士達が複数ゼレクとククトを囲み出していた、それを見ていたゼレクはククトに言葉を述べた


「ククト、回りの雑魚を頼む」


「なめるな!魔族が!」


「お前の足止めぐらいはできるぞ、魔族」


「ははは、こりゃ大変そうだ」


カナトは一人誰にも聞こえないようにぼやいていた、その頃グレン・ブルーグルとロクトは互いに距離を取り言葉を交わし始めた、ロクトはウォーターボールを浴びていて雷の刀が肌にかすり傷を残す程度でも身体に痺れを与えられてグレン・ブルーグルに遅れを取り、ロクトはダメージをかなり受けていた、肩で呼吸をしていた


「押しきれないか、流石は勇者の仲間か」


「そうでもない、お前も後の二人より少し上だな、隠してただろ」


「なんのことだ」


「まあいい」


「・・・なんだそれは、血か?」


グレン・ブルーグルは左手の拳を握り上に向けて開こうとしていた、指の間から赤い液体が一滴流れ落ちた、この血はロクトと剣を交えているときに左手で飛び散る血をロクトから奪っていた、そして自らの血と混ぜ合わせた


「我が元に来たれし悪魔の種を、姿を変えて返り咲け、《血晶奇怪蝶》」


グレン・ブルーグルが詠唱を唱え血晶奇怪蝶と言葉を述べながら左手を空に向けて振り、赤い血を撒き散らした、すると血は空中で停まり、空中で血が黒い蝶に無数に散った血が全て蝶に変わり果てた、蝶の大きさはポストカード程の大きさがあって、花の蜜を吸うかのようにロクトに向かっていっせいに飛び立った


「き、気持ち悪い」


ロクトは表情をひきつりながら向かって来る蝶を斬り、次々と斬り落とすが、蝶はすぐに身体の原型が元に戻り、再びロクトに向かってきた


「再生か、クソ、鬱陶しい蝶が!」


斬り落としても原型を戻す蝶に気を取られている間にグレン・ブルーグルはまた魔術を唱え始めた


「大地を差さえし自然の衣を、我に大地の力をお貸しください《ロックハンド》」


ロクトの左横から地面が盛り上がり手の形に姿を変えて現れた


「なっ!」


「終わりだ」


グレン・ブルーグルの左手の動きに合わせてロックハンドは動き、ロクトはロックハンドに身体を掴まれて捕らえられた


「があああああああああああ!」


ロックハンドに締め付けられて叫ぶロクトに容赦なく血晶奇怪蝶が襲い掛かる


「・・・はぁはぁ・・はぁはぁ・コイツら何を吸ってやがる」


血晶奇怪蝶は赤く光る液体をロクトから吸出していた、赤いが明らかに血液の色ではない赤い色の液体を全身から吸い上げていた、蝶は真っ黒な身体に羽があり、吸うことで蝶の羽に赤い模様が浮き出てきた、グレン・ブルーグルは口を開き言葉を述べ始めた


「それは血晶奇怪蝶全身から命を液体に変えて吸い上げる特殊な蝶さ、私のオリジナル魔術だよ、この意味わかるよね」


「つまり命を全て吸われれば」


「そう、死ぬ・・・君の命の灯火の終わりだ」


グレン・ブルーグルは冷たい声色て言葉を言いはなった


「ひでー魔術だな、・・・だったらお前も道連れだ!」


「魔力の流れが変わった、何かくる」


ロクトの身体が膨れ上がりロックハンドをこじ開け始めた


「させるか!」


グレン・ブルーグルは叫びながら右手を前に出した


「狭間の門番よ、痛みを和らげし祝福の時の時間だ、我らの同胞の迎えのとき、現れろ《狭間地獄園》」


グレン・ブルーグルから見たロクトの右側に紫色の空間が空き始めた


「なんだこれは!」


ロクトは空間の中が見え驚きの顔と焦りの顔が混ざりロックハンドから抜けようと焦り出した、空間の中は無数の手が中からどんどん這い出てきたいた


「それは狭間に閉じ込められ痛みの苦しみから少しでも逃れるためにお前を引きずり込む者達の手だよ」


「なんだそれは!」


「痛みがな和らぐんだ、中に誰かを引きずり込んだら」


「それが俺ってか」


「そうだ」


「狭間に引きずり込まれて堪るかよ」


「そんなこと言うなよ」


「えっ」


ロクトでも、グレン・ブルーグルでも、ない声が空間の中から聞こえロクトが中を見ると、驚きに目を見開いた


「お前は、ゼール!」


「ロクト、こっち来いよ!ロクト、こっち来いよ‼」


溶けた身体の者がロクト呼んでいる、ただロクトはグレン・ブルーグルを睨み見た


「知り合いか」


「貴様!」


「大丈夫、君もすぐそちらに行くから、な!」


グレン・ブルーグルはロックハンドを動かし空間の狭間に近付けた


「くそ、くそ、クソォ!力が・・・入らない」


ロクトは必死にもがきロックハンドから出ようとしていたがグレン・ブルーグルは冷たく言葉を述べた


「当たり前だ、貴様は既に血晶奇怪蝶の餌食だからな、力が入るまい」


「・・・グレン・ブルーグル覚えとけよ、貴様も此方に引きずり込んでやる!」


「ロクト、こっちに来い・・・ヒヒヒ」


「ゼール、うっ・・っ・アアアアアアアアアアアア」


ゼールの薄気味悪い笑いと共に身体をロクトは引きずり込まれるさい、引きずられ踏み入れた身体の場所痛みの激痛が身体を蝕み叫び声を上げていた


「・・・・・・閉じろ」


グレン・ブルーグルはロクトが引きずられ狭間に身体が入りきるのを見るとその光景に瞳を閉じて言葉を述べた、その後グレン・ブルーグルは膝を地面に着き肩で呼吸をして顔色が悪かった


「・・・はぁはぁ、血晶奇怪蝶来い」


グレン・ブルーグルは立ち上がり血晶奇怪蝶を呼び戻していた


「・・・あーん、ふむ・・・・・・やはり余り美味しくないな」


グレン・ブルーグルは呼び戻した血晶奇怪蝶を右指の人指し指に蝶を止まらせてそのまま口に蝶を入れて食べていた、するとグレン・ブルーグルの顔色の血色が戻り出していた


「彼方はまだか・・・」


血晶奇怪蝶をもう一匹また口に運び食べ、魔術の詠唱を唱え始めた


「天から舞い降りた灯火よ、彼らの身を焦がし大地に地獄の紋様を刻みたまえ、《地獄煉獄蝶》」


グレン・ブルーグルは回りは血晶奇怪蝶と先程魔術で生み出した地獄煉獄蝶をが羽ばたいていた、地獄煉獄蝶は蝶の形をしてオレンジ色の炎に包まれていた、赤い紋様が羽に入った黒い蝶にオレンジ色の炎を纏う蝶がグレン・ブルーグルの回りに無数に羽ばたいていた


「地獄煉獄蝶行きなさい」


グレン・ブルーグルの言葉に地獄煉獄蝶が羽ばたかせゼレクとククトに向かっていた


「ロクトが殺られた、ククト来るぞ!・・・なっ、何を」


ククトはゼレクを突き飛ばし魔法クリスタルをゼレクに向けて投げた


「お前は逃げろ」


「・・・クク」


ゼレクはその場から魔法クリスタルで何処かに消えた


「ゼレク、さよなら」


ククトは地獄煉獄蝶に向かい合い両手を向けて魔法を放とうとしていた


「《ウォーターカッター》」


小さい水の刃を複数飛ばして蝶を切り裂いたが切り裂かれた蝶と水の刃を逃れククトに向かってきた


「やはり駄目か・・・ああああああああ!」


ククトに当たった地獄煉獄蝶は相手の身を焼き当たった場所に蝶の刻印が刻まれ、刻印から溶岩のような液体が吹き出し身体を溶かしていた


(やっぱり、逃がして良かった・・ゼレク・後は・・・)


ククトは身体を無数に溶かし地面に倒れむくろとかした


「カナト!大丈夫か!」


「はい、何とか」


グレン・ブルーグルはカナトに向かい歩き出し、カナトは言葉を述べたがカナトは頭から血を流し身体のあちこちに大小なりに傷があった、回りの仲間も半数が死亡して地面に倒れていた、グレン・ブルーグルは血晶奇怪蝶を食べながら言葉を述べていた


「そうか、彼も終わったようだ、ギルが来た」


傷だらけのギルが歩き向かってきた


「どこえ」


「私はそのまま街に魔族が居ないか見てくる、お前は休め、後の者もだ」


グレン・ブルーグルは歩き出していてカナトは声をかけた、グレン・ブルーグルは言葉を返し歩き去った

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