東京Nightmare

@tokyonightmare

捜査ファイルNo.1 Nightmare連続殺人事件

昭和56年9月、秋の気配と暑さが残る東京都内で連続殺人事件が発生した。


どの被害者も、鋭い刃物のようなもので体中を切り刻まれ、それはまるで獣に襲われたかの様に見えた。当時、高度成長期の日本にとって悪夢の様なこの事件は「Nightmare連続殺人事件」と言われ恐れられた。


メディアは連日のようにこの事件を報じ、様々な憶測やデマが飛び交った。悪霊の仕業だという専門家まで現れ、テレビでは各局が毎日争うかのように特番を放送した。


事件の被害者は6人に上り、海外のメディアでは「日本の切り裂きジャック」として報じられ、日本に深い影を落とした。


当時、事件の捜査本部が設置された警視庁捜査一課の刑事達は、寝る間も惜しんで事件を捜査した。現場の遺留品や目撃者の少なさから捜査は難航した。


昭和57年1月、捜査線上にある男の容疑者が浮上した。捜査一課の刑事が容疑者の自宅アパートに訪れると、容疑者が変死体となって発見された。酷く腐乱した遺体からは死因は特定できなかった。捜査は振り出しに戻った。


その後、時々テレビの特番で放送されれば情報が寄せられるものの、有力な手掛かりは得られないまま15年が経過。平成8年9月、捜査一課の努力も空しく、事件は時効となり、未解決のまま捜査本部は解散された。


やがて事件は人々の記憶から薄れ、都市伝説「東京Nightmare」として密かに囁かれた。


事件から39年後の令和2年9月、東京都内で殺人事件が起きた。被害者は身体じゅう鋭利な刃物のような物で切り刻まれていた。猟奇的なその殺人事件は昭和56年に起きた「Nightmare連続殺人事件」の記憶を一気に蘇らせた。

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