第2話脅迫

「おう、姉ちゃん、もう覚悟決めろや、こっちには親父さんの証文があるんだよ。

 これがある限り、どこに出たってこっちの勝ちなんだよ、だからもう諦めろや」


「なに言っているの、そんな証文無効よ、お母さんはあんな男と結婚していない。

 それにそもそも親の借金で子供をどうにかできるわけないでしょ」


 何を言っても無駄なのは分かっている、でも、黙っているのもしゃくだ。

 弁護士会も裁判官も、山菱組に買収されているし、マス塵も役立たずだ。

 いえ、役立たずどころか、半島マフィアと化した山菱組からは、企業舎弟を通じて、スポンサー料と言う莫大な賄賂が流れている。

 反日無罪が常態化しているマス塵は、山菱組の悪事は絶対に報道しない。

 多くのマス塵には、隠れ山菱組員がいるのを、今の私は知っている。


「だが、さすがにここじゃあ人目が多すぎるから、ゆっくり話ができる場所に行こうじゃないか、お嬢さんよ。

 そこで心と体を開いて話し合えば、分かりあえるって」


「「「「「うっひゃひゃひゃひゃひゃ」」」」」

「そりゃああいいですね、兄貴」

「俺たちにもご相伴させてくださいよ」

「この前みたいに、上下や前後から、兄貴にあわせて働かせていただきますよ」

「いい声で鳴かせてみせますから」

「うっへへへへ、天国に連れて行ってやるよ」


「黙ってろ、馬鹿が!

 この姉ちゃんには繊細な仕事をさせるんだ、お前達の玩具にするのは、こちらの言う事を聞かなかった時だけだ!

 姉ちゃんよ、ここは素直に言う事を聞いたらどうだい。

 あんただけで済む問題じゃないんだよ、あんまり強情を張ると、あんたの所為で家族や友人知人を巻き込むよ」


 悪辣非道な腐れ外道の兄貴分が、顔も知らない小さな子供の写真を見せる。

 たぶん、絶縁状態の親戚の子供だろう。

 情も恩も何もない、むしろ恨みしかない大嫌いな親戚だが、だがそれは大人たちの事であって、いたいけな子供を巻き込めない。

 

「それに、こんな写真もあるんだよ、面白い写真だろう。

 俺たちの仲間には、女誑しが専門の奴もいてね、もう直ぐ立派な薬中だ。

 今でもいいなりがだ、このままじゃどこまで落ちるか分からないなぁ」


 私の目の前に突き付けられた写真は、高校時代に仲のよかった女友達の写真だ。

 彼女が男と痴態を繰り返す写真だが、単にポルノ写真という訳ではなく、既に麻薬中毒にしているという、私の所為で、友達を巻き込んでしまった。


「ほら、他にも一杯あるぜ、この写真やビデオを売るだけでも、それなりの金にはなるが、身体を売らせたらもっといい金になる。

 姉ちゃんは自分が死ねば全て終わると思っていたんだろうが、俺たちゃそんなに甘くないんだよ、死んでも逃がさねえんだよ」


 もう、だめ、どうしようもない、私が言う通りにしたら、みんな助かるの?

 いえ、そんな事はないわ、こいつらのような腐れ外道は、弱みを見せたら付け込んでくるから、断固として断らなきゃいけない。

 みんなには悪いけれど、ここで断らないと、もっと被害者が増えてしまうわ。


「なめんじゃないわよ、腐れ外道の卑怯者ども。

 私はあんた達に負けるような女じゃないのよ!

 死んだって協力しないし、弱みを見せて今以上の被害者をだしたりしないわ!」

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