補給

 Aクラスの3人が戦死してからは、1両目にナギ、2両目にアデラとカースが乗りこんだ。


 2両目の樽に水を入れているのだがそれがかなり少なくなっており、補給しようという話になった。


 半日東へ進み、川のほとりまで来る。


 3人で手分けをして水を汲み、樽へ給水する。元々が6人分だったので、満水にすれば、かなりの日数は大丈夫なはずだ。


 ついでに、水浴びをする。


 ナギとカースはアデラに気を遣って、少し下流へ行く。


 アデラは全身裸になり、気持ちよさそうに水浴びをする。


 シロが目を細めて、その様子を見ている。


 「シロ、少しは遠慮しないのか?」


 「今更でございます」


 「まあ、そう言えばそうか」


 「ラファール様と戦うおつもりで?」


 「ああ、そうなる、私の夫が戦うのだから、それに従うのが妻だ」


 「勝ち目はないでしょう」


 「そんなことは分かっている」


 「頃合いを見て、都に帰ってはどうですか?」


 「そんなことはできない、そうだな、私は人のためになにかをしようと思っている」


 「そうですか」


 「シロは逃げてもいいんだぞ」


 「私はアデラ様と最後まで一緒におります」


 「そうか」

 

 

 3人が水浴びを終えると、ナギが川面に向かって雷魔法を唱える。


 バチバチっという音がして、10匹程度の魚が失神して浮かんでくる。


 それを集め、串焼きにして3人で食べた。


 美味しかった。


 そこから、また、都目指して馬車で走り始めた。

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