(5)Unknown

 「それ」は、一部始終を見守っていた。


 「それ」は、設楽木飛鳥の死を理解した。


 故に「それ」は、目覚める機会を得たのだ。


 もはや「それ」を抑えるモノは何も無い。


 何に遠慮することも無く、何を怖れることも無く。ただ、己が欲望のまま縦横無尽に破壊し尽くす。


 目的は、唯一「それ」のみ。余分な感情等は必要無い。


 故に「それ」は、自身の肉体の破滅を以って、己が誕生を祝福した。


『めりー、くりすます、あ、す、か』

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